デルタ株ウイルスに感染した患者が初期にウイルスを排出する量が従来の新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）ウイルスに感染した患者に比べて３００倍以上という韓国保健当局の調査結果が公表された。デルタ株ウイルス検出率は９０％に肉迫して１０人中９人はデルタ感染者であることが確認された。

２４日、韓国中央防疫対策本部はデルタ株患者の呼吸器検体１８４８件と第１～３波当時のウイルス患者の検体２万２１０６件を分析した結果、症状発現以降、デルタ株患者のウイルス排出量が既存の流行株（第１波）より３００倍以上多かったと明らかにした。ただし４日目は約３０倍、９日目は約１０倍以上などと徐々に減少する傾向を示し、１０日が過ぎた時点では分析対象者全員のウイルス排出量にほぼ差がなくなることが確認された。海外でウイルス排出量の増加を間接推定したことはあるが、韓国内で発生した患者を対象にウイルス量を精密に測定して発表したのは初めてだと当局は明らかにした。

中央防疫対策本部のキム・ウンジン検査分析チーム長は「デルタ株は一筋縄ではいかず、変化が目まぐるしいウイルス」とし「感染初期に大規模なウイルス排出があり、感染力が高い」と説明した。また「高いウイルス排出量によりデルタ株は世界的な流行をより頻繁に引き起こしている」とし「発病初期の管理が重要で、症状が出始めたらすぐに検査を受けなければならない」と話した。

ウイルス量が３００倍高いことは伝播力に影響があるかとの質問に、中央防疫対策本部のイ・サンウォン疫学調査分析団長は「多量のウイルスが出てくるという意味だが伝播力がそれだけ上がるという意味ではない」としながらも「デルタ株の基礎再生産指数はアルファ株より１．６倍、非変異に比べて２倍やや超えるとみている」と話した。

最近１週間（８月１５～２１日）でデルタ株検出率は８９．６％まで高まった。前週（８５．３％）に比べて４．３％ポイント増加したもので、新型コロナ感染者１０人に９人はデルタ変異株に感染しているという意味だ。累積デルタ株感染者は１万３４５４人で、１週間で３０３３人増加した。遺伝子分析結果を通じて変異株ウイルスが確定した事例だけ集計したもので、これと疫学的関連性がある事例まですべて含めれば変異株感染規模はさらに大きいものと推定される。