【コラム】韓国大統領候補が「気候変動」に無関心な理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.20 12:10
ドナルド・トランプ大統領は在任期間中、「地球温暖化の主張は巨大な詐欺劇」と主張した。火災が頻繁に起こり、水は枯れ、ハリケーンや寒波が過酷になったのは事実だが、それが人間の活動の結果として発生した炭素のためだという証拠はないというのだ。さらに、米国中西部に氷点下60度の寒波が襲った2019年1月、ツイッターで「若干の地球温暖化が必要」と嘲笑した。そして同年、気候変動防止のためのパリ協定から脱退してしまった。「山は山で、水は水で、火事は火事に過ぎず、炭素とは関連ない」というトランプ氏の主張は、まだ気候変動の影響を直接体験していない多くの人に、妙な中毒性を発揮した。
しかし、無差別的災害級の気候現象があまりにも頻繁に、過去とは比較にならないほど大規模に発生する様子を見ていると、トランプ氏の主張は色あせる。凍土の地・シベリアの気温が摂氏38度まで急上昇し、昨年に続いてことしも山火事が起こり、韓半島(朝鮮半島)規模の森林が灰となった。ことしの夏、イタリアやギリシャなど南欧地域は45度を超える猛暑が続いた。乾燥した大地は小さな火種にも燃えやすく、数百カ所で山火事が起こった。10日以上鎮火が及ばずソウルの面積の3分の2が焼けてしまったギリシャのエヴィア島から住民が脱出する姿は、終末論を思い起こさせるのに十分だった。