【中央時評】韓国の外交につきまとう信頼問題
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.20 11:19
韓米連合訓練に対する北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長の談話は、韓国外交の古くからの問題の一つを喚起した。信頼の問題だ。金与正副部長は韓国当局者の背信的行動に遺憾を表した。背信という表現は国の間であまり使わない極端な用語だ。何か曲折があるのだろうという疑いが生じる。しかも韓国政府がこうした言葉を聞いても北朝鮮側にいかなる対応もしないため、話せない理由があるのだろうという疑問はさらに強まる。おそらく数カ月間にわたる南北首脳間の親書交換過程で、我々が連合訓練をしないという言質を北朝鮮に与えたのではないかと推測させる。
行き過ぎた推測だと言う人たちには、韓国の外交にこのようなことが頻繁にあることを話しておきたい。ハノイ米朝首脳会談当時も韓国は米朝間で中間の役割を自負しながら米国側の事情を北朝鮮に説明した。世間に知られたその過程で韓国側は妥結に対する北朝鮮の期待を膨らませたが、米国は交渉を決裂させたため、北朝鮮は韓国が誤って導いたと憤慨したということだ。ハノイ以降に南北の接触が中断した背景に、韓国の粗雑な役割があったというのは広く語られている解釈だ。