韓国青瓦台（チョンワデ、大統領府）高位関係者が最近二度にわたり国内感染病・防疫専門家を呼んで新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）対応方案に対して諮問を求めた。先月３０日、ソウル大学病院感染内科の呉明燉（オ・ミョンドン）教授（新型コロナ中央臨床委員長）ら３人が対応方式の転換を、今月３日には翰林（ハンリム）大学医大の金東賢（キム・ドンヒョン）教授（予防医学）らが防疫強化を注文した。中央日報は２人の教授に感染者２０００人台という状況に対する診断と対策について聞いた。デルタ株が初期のウイルスやアルファ株と完全に違う点、６０歳以上のワクチン未接種者最小化などでは意見が一致したが、状況判断と対応方式では大きく異なった。

呉教授は１・８・１１日に、金教授は１１日にそれぞれ電話インタビューを行った。呉教授は「集団免疫はもともと不可能だが、デルタ株が急速に広がってこのことがさらにはっきりした。逆説的に今が対応戦略を変える良い機会になりうる」と話した。次は呉教授と一問一答。

－－デルタ株の検出率が７３．１％に上昇している。

「まもなく１００％になる。全国に広がるだろう。それ以前とは完全にウイルスが違う」

－－現状の対応方式を強化するべきか。

「社会的距離確保も国民が耐えられる範囲で行うべきだ。すでに４段階まで引き上げた状況なので、残るはロックダウン（Ｌｏｃｋｄｏｗｎ・封鎖）しかない」

－－政府の対応をどのように評価するか。

「感染者数を目安にしている限り、この状況には終わりがない。引き続き政府が国民を驚かせるやり方では限界が明らかに見えている」

－－ワクチンブレークスルー型感染が１５６０人に増えた。

「ワクチンの効果は、高齢であるほど、また接種後時間が経つほど落ちる。すべてのワクチンについて言える。そのため高齢層のブースターショットの話が出ているが、打つほうがよいのかどうかについては科学的データがまだ出ていない。心配な状況だ」

－－ブレークスルー感染は危険か。

「米疾病対策センター（ＣＤＣ）の機関紙に掲載されたマサチューセッツ州バーンスタブル郡の集団感染事例を見てみよう。感染者４６９人のうち７６％が接種完了者、すなわちブレークスルー感染だ。ファイザー接種者が４６％、モデルナ３８％、ヤンセン１６％だ。ブレークスルー感染のうち重症患者や死亡者はいない。入院率は１．２％となっているが、酸素治療が必要な程度だ。韓国も似ている。１０日午前０時基準で、ブレークスルー感染事例のうち重症患者（１５人）の発生率は０．９７％、死亡は２人（０．１３％）だ。１１日午前０時の致命率が０．９９％に初めて落ちた」

－－どのように対応するべきか。

「ワクチンを接種すれば重症および死亡を９０％以上おさえることができるということが確認されている。重症化・死亡を最小化する方向に転じるべきだ。初期ウイルス（武漢由来）、アルファ株（英国由来）が流行しているときに感染者を追跡して生活治療センターに移送して家族を隔離していたやり方を維持するのか、集団免疫目標を提示してこれに沿って進むのか議論が必要だ。デルタが優勢株になったのに、過去のやり方を維持するべきなのか熟考が必要だ」

「変異株、引き続き登場して集団免疫は不可能…感染者追わずに重症・死亡の管理を」＝韓国（２）