【コラム】モガディシュ、そしてオリンピック
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.05 13:38
韓国映画で今年初めての観客100万人を突破した『モガディシュ』(監督リュ・スンワン)を先週末に見た。1990年ソマリア内戦事態の時、首都モガディシュで生死の岐路に立った南北外交官が共に脱出したという実話を扱った。東京オリンピック(五輪)期間だからか、昔懐かしい小道具の中でホドリマスコット(ソウル五輪のマスコット)がとりわけ目についた。映画では88ソウル五輪の時にソマリア選手団の入場場面を収めたビデオテープを外交の贈り物として利用する場面も出てくる。当時でさえ、南北が国連加入を巡ってそのようにアフリカ投票者の心をつかもうと競い合っていたが、あれから30年経過して、これほどの隔世の感も他にない。
スポーツと政治が関係がないと言っても、五輪ほど当代の国際政治現況を物語るイベントもない。東京五輪では競技後に亡命を希望したベラルーシ陸上選手のおかげでルカシェンコ独裁政権の実状が新たにスポットライトを浴びた。「石に当たりながらトレーニングした」というアフガニスタンの自転車女子選手はタリバンの勢力拡張後、さらに危険が増したアフガニスタンの状況を示している。シリア出身の兄弟が1人はシリア代表チームで、1人は難民代表チームで出場したのも、今も続く10年の内戦を振り返らせた。事実上「失敗国家」「海賊国家」に転落したソマリアは2人の代表団で表面だけは取り繕う形となった。