南アフリカで大規模な暴動と略奪が起こり、南東部の港湾都市ダーバンにあるＬＧの工場が略奪され焼き討ちされるなどの被害を受けた。今回の暴動はズマ前大統領の収監に抗議するデモとともに触発された。

ｅＮＣＡ放送とＡＦＰ通信が１２日に伝えたところによると、デモは４日前から主にズマ前大統領の故郷であるクワズール・ナタール州を中心に広がり、先週末から経済中心都市のヨハネスブルクとダーバンなどの大都市に拡散した。この渦中でヨハネスブルクがあるハウテン州で４人、クワズール・ナタール州で２人の６人が死亡した。

ダーバン産業団地にあるＬＧ工場はこの日明け方に武装した暴徒が襲撃し電子製品を略奪した。午後には工場が放火され全焼した。

ＬＧ関係者は「大使館に事件発生を知らせ、現地政府、警察、消防当局にまで連絡し、警察の投入とともに消火を要請したが、デモ隊が現場にいる関係から消防隊の投入が難しいという言葉だけ聞いた」と訴えた。

ＳＮＳなどを通じて投稿された映像を見ると、人々が群れを成してトラックやリアカーいっぱいに略奪品を載せていく。ただ工場内の人的被害はないと同関係者は付け加えた。

またダーバンの別の韓国系企業もこの日午前８時ごろに略奪の被害を受けた。

在南アフリカ韓国大使館は今回の事件解決に向け現地当局と協力しているとしながらダーバン地域などで移動自粛と営業中断を呼びかけた。

ラマポーサ大統領は１１日に国民向け談話でデルタ株にともなう新型コロナウイルス第３波により第４段階の封鎖令を２週間追加延長し、暴力デモ参加者に対し厳重処罰すると警告した。

今回の略奪は封鎖令の長期化にともなう住民の生活苦の側面もあると分析される。南アフリカの失業率は３２．６％に達する。