【中央時評】おかしな国はあっても特別な経済はない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.23 10:37
金正恩は計画経済を復元し生産量を引き上げようとする。このため上半期に3回も全員会議を開いた。しかし計画経済は粗い網のように人間のすばやい欲望を閉じ込めることはできない。2月の全員会議で金正恩は電力と建設部門の目標生産量はでたらめに低く、農業の生産目標は大きく膨らんでいると批判した。しかしこれは企業の極めて合理的な行動だ。発電量とマンション建設量はごまかしにくく、目標をあまり高く設定すると達成が難しい。これに対し農業は生産量を故意に膨らませても摘発される可能性が低い。特にもっと多く生産しろと促せば企業は量だけ確保しようとするが製品の質には気を遣わない。結局物を作っても使えるほどの製品はない格好だ。旧ソ連でもこうした「書類でだけ存在する成長」が多かった。先週の第3回全員会議で発表された内容のうち、上半期の工業総生産額が前年比125%増加したという数値も企業と官僚の生きるためのあがきでかなり水増しされただろう。
金正恩は制裁を乗り越えて核保有国になるための核心として自力更正を選んだ。特にハノイでの米朝首脳会談で米国の目標が完全な非核化であることを確認した彼は、どうにか経済を回復させ米国が北朝鮮の核保有を現実として受け入れるほかはないようにさせようとする。自力更正に死活をかけたわけだ。しかし彼は間違った。自力更正は経済学の族譜に一行も出てこない。学問は蓄積された経験を厳密に分析し、何はできて何はできないのか判別する。その学問が金正恩に自害的な自力更正の無駄な夢を捨てろと語る。おかしな国はあっても特別な経済はない。