【コラム】急ぐことと重要なことの優先順位=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.06.06 12:14
与党陣営で全国民災害支援金支給を含んだ全方向景気浮揚カードを連日取り上げている。与党陣営の大統領候補も積極的に擁護している。財政当局は「災害支援金選別支援」にウエイトを置いているが、輸出好調と不動産市場の活況で1-3月期の国税収入が昨年より19兆ウォン増え、第2次追加補正予算編成に以前より相対的に開かれた立場だ。民主党の尹昊重(ユン・ホジュン)院内代表は1日の院内対策会議で「全国民災害支援金を含む追加補正予算案編成と処理が至急だ」とムードを高めた。尹代表は3日の政策調整会議でも追加補正予算と関連し「上半期に税収が増えてできた財政余力を国民にお返しするもの」と話した。京畿道(キョンギド)の李在明(イ・ジェミョン)知事は先月31日に自身のフェイスブックに「政府・与党・青瓦台(チョンワデ、大統領府)に地域通貨型の第2次全国民災害支援金支給を要請する」と書き込んだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も先月27日に開かれた国家財政戦略会議で「防疫状況と経済環境の変化にすぐに対処できるよう追加税収を活用した追加財政投入の可能性を残しておかなければならない」と強調した。
ただ「大統領選挙用のばらまき」をめぐる議論、財政健全性悪化の懸念、社会的弱者選別支援などの声も大きく、災害支援金規模や支給方式をめぐって難航は避けられない見通しだ。特に財源が問題だ。すでに第4次災害支援金支給に向けた第1次追加補正予算14兆9000億ウォンを編成し、9兆9000億ウォン分の国債を発行した。与党で遡及適用はしない方向性を固めたといっても、新型コロナウイルスによる営業損失補償金などまで考慮すれば第2次追加補正予算の規模は最大30兆ウォンに達するだろうという見通しも出ている。この場合国内総生産(GDP)比の国の債務比率は50%を超える可能性がある(1次追加補正予算考慮48.2%)。他国に比べ財政健全性が良好だといっても国の債務増加速度が速く、安心ばかりはしていられない。