文在寅（ムン・ジェイン）大統領は３日、空軍副士官セクハラ被害者の死亡事件に対する厳正な捜査を指示した。

文大統領はこの日「絶望した被害者を考えると胸が痛む。被害申告後の部隊内処理、上級者と同僚の２次加害、被害の訴え黙殺、死亡後の不十分な措置などに対し徹底した捜査と措置がなければならない」と話したと青瓦台（チョンワデ、大統領府）のパク・ギョンミ報道官が伝えた。

文大統領は特に「この問題を単純に被害者と加害者の関係だけで見ず、最高上級者までの報告と措置過程を含んだ指揮系統問題も調べ厳重に処理せよ」と強調した。

文大統領が「最高上級者」と「指揮系統」に言及したことについて青瓦台核心関係者は「文大統領が言及した指揮系統は上級指揮官を捜査から排除しないという意味。対象がどのような職責や職位にある者なのかはすぐには判断しにくい」と説明した。

また別の青瓦台関係者は「大統領の指示は今回の事件と関連がある指揮体系全体に対する徹底した責任追及とともに、指揮体系の問題点まで確認せよとの意。予断できないが、もしこの過程で国防部長官が責任を負うべき部分が確認されるならば当然それに対する責任も問うようにとの趣旨と理解してほしい」とした。このため軍では「徐旭（ソ・ウク）長官と李成竜（イ・ソンヨン）空軍参謀総長がどのような形であれ指揮責任を負う可能性がある」との話が出ている。

文大統領はこの日の指示に先立ち、該当事件に対する軍の組織的懐柔と隠蔽が試みられたという状況に対する具体的報告を受けた。報告過程で文大統領は軍の信頼低下問題と関連し激怒に近い反応を見せたという。青瓦台関係者は「文大統領は『どうしてそんなことができるのか』『許されるのか』という趣旨の話をしながら怒りをこらえられないようだった」と伝えた。

１日に青瓦台国民請願掲示板に登録された「愛するわが娘、空軍中士の無念の死を明らかにしてください」という請願には、この日午後までに３２万人を超える人が同意署名をした。請願文が１カ月以内に２０万人以上の同意を受ければ青瓦台や政府官庁関係者が正式に回答することになっている。