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【時視各角】食事はきちんと食べさせましょう=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.20 16:00
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白飯、イカが入っていない「イカ味」スープ、キムチの炒めもの、ペラペラの調味海苔の袋。これが全部だった。もし会社の食堂でこのような食事が出てきてSNSにその写真が投稿されたとしたら? 総務チーム長とその上の経営支援責任者の席は安泰とは言えなくなる。後援者の寄付で運営されている救護団体で一人暮しのお年寄りにこのような食事を提供したとしたら? 「人権侵害」の非難と後援者離れが予想される。国家人権委員会に陳情が提起される事態にもなるかもしれない。建設現場でこのような食事が出されたら? 「『こんなものを食べてどうやって働けというのか、われわれを犬か豚と思っているのか』と大声を張り上げる作業員に現場監督が百倍謝罪して日当を追加しなければ工事が中断されただろう」。建設会社社長の話だ。

その食事は実際に鶏龍台(ケリョンデ)にある隔離将兵に提供された。食べて背を向ければ腹が減るというほど食欲旺盛な20代の若者男性に。16日、その中の誰かが写真を撮ってSNSに投稿した。翌日、国防部は「確認したところ、そのようなことはなかった」とし、それよりもややましに見える白飯とおかず(キムチと卵焼き追加)写真3枚を公開した。「どんぐりの背比べ」という非難があふれた。それから翌々日の18日、国防部報道官が「確認を間違った。16日の写真は偽物ではなかった」と説明を翻意した。

 
(1)無能:「情報提供の写真を見ればトレイが2つだ。1人の隔離兵士ではないということを知ることができる。なぜ初めから確認がしっかりと行われなかったのか知りたい」。18日、国防部ブリーフィング現場で一人の記者が投じた質問だ。前日、国防部は1人隔離者8人に対して全数調査を実施したと言って3枚の写真を公開した。集団隔離(コホート隔離)されている兵士100人余りに対する調査ではなかった。質問した記者の言葉のように、16日の写真ではプラスチックのトレイ2つが置かれている。1人隔離者の食事ではないことがすぐに分かる。部隊指揮官と国防部幹部が写真を注視していないか、その程度の推理力も備えていなかったと見なさざるを得ない。国家安保が甚だ心配だ。

プ・スンチャン国防部報道官の説明はこうだ。「弁当の写真が情報提供として投稿されたので、1人隔離している8人に関して確認したところ、そこまでは確認できなかった、こう申し上げる」。調査をして報告する部隊と報告を受ける国防部の幹部はともに「トレイ2つ」が目に映らなかったということだ。

(2)無責任:徐旭(ソ・ウク)国防部長官の考えは? 副報道官がブリーフィングで状況を伝えた。「長官は今の事案を重く認識しています。報告を受けるとすぐに監査班に指示して昨日今日鶏龍台勤務支援団に対する現場監査が実施されています」。厳重認識と調査指示。軍の警戒が突破された時も、性暴行事件が起きた時もそう言った。言葉で間に合わせることぐらい容易なこともない。

軍不良給食の暴露は1カ月間続いている。兵士がSNSで公開する写真が起爆剤の役割を果たしている。指揮官はスマートフォンのせいにする。以前のようにスマートフォンを使えなくしなければならないという。そのような古い考えが「この程度なら十分な食事ではないか。昔、われわれの時代は…」に続く。軍統帥権者は大統領だ。食事問題の最終責任も彼にある。これは「竹篦に打たれてハッとする」ことではないのか。

(3)無誠意:食べ過ぎで倒産した会社はなく、食べられなくても勝った戦争はない。兵士が飢えるので天下のナポレオンも効果がなかった。70万のフランス遠征軍のうち90%が亡くなったモスクワ戦闘(1812年)が立証した。ビスケット、砂糖をまぶした丸いチョコレート、穀物が入ったチョコバー。すべて軍人のために作られた。大きなボタンのついたダッフルコート、防水機能のあるバーバリー社のギャバジン生地は、英国軍人の体温保護のために開発された。その軍が世界を駆け回った。10年余り前から英国軍人は汗がこもらないゴアテックスレインコートを着ている。

最上の待遇が最高の献身を生む。それが難しいなら食事くらいは十分に食べさせよう。叺(かます)を煮て食べていた映画『南漢山城(ナムハンサンソン)』の兵卒の姿が脳裏をかすめる。今はそのような有様から抜け出す水準になったのではないか。

イ・サンオン/論説委員

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    【時視各角】食事はきちんと食べさせましょう=韓国

    2021.05.20 16:00
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    ある兵士がSNSに投稿した部隊給食の様子。[写真 フェイスブック「陸軍訓練所の代わりにお伝えします」キャプチャー]
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