漢江（ハンガン）で亡くなった医大生、故ソン・ジョンミンさん（２２）をめぐる事件に関連し、ジョンミンさんの父親が警察捜査を求める内容の嘆願書を提出した。１２日、ソウル瑞草（ソチョ）警察署に提出した嘆願書の資料には、これまでジョンミンさんの父親が提起した疑問点に関連する映像が含まれていた。ジョンミンさんの友人のＡさん側家族が行方不明当日午前、漢江公園にいる様子が映された防犯カメラの映像だ。

◆Ａさんと家族、当日午前５時台にジョンミンさんを探しに来たもよう

ジョンミンさんの父親が警察署に提出した映像には、先月２５日午前５時３０分ごろ、盤浦（パンポ）公園に来た友達Ａさん家族の姿が映っている。他の角度から撮影された映像がＫＢＳ（韓国放送公社）で報じられてもいる。

公園でＡさん家族は各自散らばった後、再び一カ所に集まる。ジョンミンさんの父親は友人の家族の行動が不審だと考えているが、彼らはジョンミンさんを探していると推定される。Ａさん側がジョンミンさんの母親に「ジョンミンさんを探さないといけないようだ」という連絡をした時刻は午前５時２９分で、防犯カメラの映像はこの連絡をした直後の状況とみられる。

しかし、ジョンミンさんの父親は「映像を見せてもらって確認をしてみたが、通常は人を探すときには視線が下に向かうべきだが、全く息子を探そうとする感じではなかった」とし「視線が上に向かっていて、防犯カメラがあるかどうか確認しようとする様子にも見えた」と主張した。あわせて「Ａさんの父親が誰かと電話をしている様子などを見る限り、事件を収拾しようとしているだけで息子を探すような様子には見えなかった」と付け加えた。

映像でＡさんは漢江公園の自転車レンタル所付近を通り過ぎながら背を向けてあたりを見回した。Ａさんの父親は後ろ手に組んで自転車専用道路付近を歩き回った。Ａさん両親は自転車専用道路を横切って広場を通り過ぎ、再び戻ってきて広場側を指したりもした。母親が広場のほうを指すと父親は広場の建物に上がった。

３人が一緒に集まった場所で話をしている間、Ａさん側は一斉に１カ所（防犯カメラ側）を見つめたりもした。Ａさんは酒に酔った様子だった。午前５時５０分にＡさんは足元がふらついて公園道路に横になったり、両親と話をする途中で座り込んだりしている。

◆「Ａさんの父親の携帯電話のフォレンジックをなぜしないのか」

現在、ジョンミンさんの父親はＡさんの父親の携帯電話もフォレンジックをするべきだという立場だ。ジョンミンさんの父親は「（防犯カメラの映像）を見ると、Ａさんの父親がどこかに電話をする様子が映っているが、誰と電話をしたのかＡさんの父親の携帯電話もフォレンジックをして明らかにしなければならない」と話した。防犯カメラの映像を確認した結果、午前５時５０分ごろ、Ａさんの父親が誰かと電話をしながら座り込んでいるＡさんに近付く様子が映っている。

一方、１１日、警察はジョンミンさんを事件当日目撃したという別の目撃者２人に追加で会い、陳述を確保した。彼らはジョンミンさんが行方不明になった日の午前２時ごろ、ソウル盤浦漢江公園一帯でジョンミンさん一行を見かけ、約５０分間近く道路にいたことが分かった。目撃者は「ジョンミンさんは道路に横になっていて、友人Ａさんがその近くでそわそわしながら、またジョンミンさんの隣に横になった」という趣旨のことを警察に話したという。警察は目撃者が撮影した写真を提出させて調査を継続する予定だ。