【コラム】歴史の代わりに神話に執着する韓国政府
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.05.01 13:31
「日の光に褪せれば歴史となり、月の光に染まれば神話となる」。小説家の李炳注(イ・ビョンジュ)が大河小説『山河』の序文で書いたのはこの一言だった。今日でも人々に語られる名言だが、最近ほどこの言葉をよく思い出すことはなかった。現政権が約束した「一度も経験したことがない国」という神話の終わりが果たしてどこなのか答えが見えないからだ。
李炳注は神話の方に関心が多かった。詩人チャン・ソクジュの評価のように「彼は作家とは日の光に褪せた歴史を新たに書く復元者と変わらないと考えていた」。歴史とは勝者の記録であるだけに結果だけを問いただすことになるが、作家として彼は無名の敗北者にも発言権を与え、結果ではなく動機に月の光でも照らすことを望んだのだ。