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【グローバルアイ】日本、多く確保したと言っていたそのワクチンはどこへ行ったのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.03.09 09:34
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せっかちな人が日本に住むためにはある程度の忍耐力が必要だというのは分かるが、最近はじれったくてイライラする。「本当に始まったの?」と思うほどスローペースで進む日本の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチン接種のためだ。先月17日に接種が始まり、17日目に入った今月5日までにワクチンを接種したのは4万6469人。副作用モニタリングのための序盤4万人先行接種を経て、医療陣の優先接種が3月から始まったのに速度は上がらない。当初4月初めに予定されていたが4月12日に延期された高齢者接種は4月末にならないと始まらないという見通しも出ている。

広く知られているように、日本はいち早く新型コロナワクチンの確保に出てファイザー・アストラゼネカ・モデルナワクチンを人口を越える1億5700万人分確保した。ところがファイザーワクチンの供給が遅れ、日本は欧州が「与えられる分量ずつ受け取らなければならない」状況に置かれた。どれくらい供給を受けられるか正確に分からないから計画を組むことも難しい状況だ。ここで疑問が生まれる。それならアストラゼネカとモデルナを打てばよいのではないかと。だがそれはできない。なぜならこの2つのワクチンはまだ日本で承認されていないからだ。

 
日本政府はワクチン接種遅延の原因が「供給量不足」だと言う。だが、それよりもっと大きな原因は、世界の他の国に比べてはるかに複雑でスローな承認手続きではないかと思う。まずは承認を受けるために日本人の臨床結果(数百人規模)が必須なので時間がかかる。米国などに比べて接種開始が2カ月以上遅れた理由だ。

日本人の臨床結果があるからといってすぐに承認が下りるわけでもない。アストラゼネカの場合、韓国は40日もかからずに承認を終え、世界保健機構(WHO)も4週間で使用を承認した。日本では先月5日にアストラゼネカが、今月5日にはモデルナが承認を申請したが、全く便りがない。厚生労働省は「早ければ5月中、でなければ6月に2回目のワクチンを承認する」とだけ明らかにしている。ワクチンを購入しておいても使うことができない状況があと数カ月続くということだ。

安全は重要だ。だが、多くの国々ではるかにスピーディーで可能な検証手続きが日本だけでなぜこのように長くかかるのか、どうして誰も聞かないのか不思議だ。先週会った神戸女子大学の内田樹教授は「今の日本の指導者は何も変えるつもりがない。現状維持だけに関心がある」とした。未曾有の危機状況下でも今までやってきたことを今まで通り続ける、変化を試みないその「変わらなさ」が怖い。まさかとは思うが、今のペースで接種する場合、日本が新型コロナ集団免疫に到達するには10年以上かかるという予測まで出てくるのでこのように言うのだ。

イ・ヨンヒ/東京特派員

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