ファイザーのワクチンがアストラゼネカに続いて韓国国内で２件目の新型コロナワクチンとして正式に許可された。許可接種年齢が満１６歳以上という結論が出たことで、原則的には未成年者の高校生もワクチンを接種できるようになった。

食品医薬品安全処は５日、最終点検委員会を開き、韓国ファイザー製薬の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を許可したと明らかにした。食品医薬品安全処は「これに先立って実施された２度の諮問内容などを総合的に検討した結果、臨床試験最終結果報告書などを許可後に提出する条件で品目許可をする」と明らかにした。

最終点検委員会は新型コロナワクチン許可審査のための３重専門家諮問会議のうち最後の段階で、最終決定となる。最終点検委員会によると、ファイザーワクチンの安全性に関連し、接種後に報告された異常事例はよく見られる注射部位の痛み、発熱、疲労、悪寒、頭痛、筋肉痛などであり、症状の大半が軽症で数日以内に回復したという。ワクチン投与後の薬物関連過敏反応（じんましん）は１件発生し、薬物関連アナフィラキシー（重いアレルギー反応）は臨床試験期間中に報告されなかった。

臨床試験でワクチン投与との関連性を排除できない重大な薬物異常反応が報告されたが、肩の部位の傷など４件だ。このうちリンパ節腫脹と心室性不整脈は回復し、肩の部位の傷と腰痛・両下肢の痛みなどは回復中という。

最終検討委員会はこれに基づき「ワクチンの安全性は全般的に良好」とし「ただ、アナフィラキシーを含む過敏症病歴がある人に対しては許可後に綿密なモニタリングが必要だ」と判断した。許可後、危害性管理計画を通じてアナフィラキシーとリンパ節腫脹などの安全性を持続的に観察するよう勧告した。効果性に関しては米国などが実施した多国家臨床試験で約９５％の予防効果を見せたと明らかにした。

これに先立ち検証諮問団と中央薬剤師審議委員会が満１６歳以上に品目許可を勧告したが、最終点検委員会もこれを受け入れた。臨床試験で１６歳以上の対象者に予防効果が確認され、１６歳以上の青少年の免疫反応が成人と変わらないと判断されたほか、米国・欧州（ＥＵ）・英国・日本など多数の国が１６歳以上にワクチン接種を許可した点などを考慮した。

会議に参加した中央薬剤師審議委員会のオ・イルファン委員長は「ワクチンの需給によって変わる可能性はあるが、ひとまず適用対象については満１６－１７歳も問題がないとみている」とし「当初、アストラゼネカの場合、臨床データが不足した状況で、高齢者の場合は免疫力が相対的に弱く効能が落ちると懸念され、慎重に判断したが、満１６－１７歳はほとんど成人と見ることができ、免疫力が落ちる理由はないと考える」と述べた。

満１６－１７歳の青少年もこのワクチン投与が可能という許可が出たが、すぐに青少年が接種対象に含まれるわけではない。疾病管理庁予防接種専門委員会の審議があるとみられる。当局は現在１８歳未満の小児・青少年の場合、接種対象者から除外している。臨床試験の結果がまだ十分でないという理由からだ。

ファイザーのワクチンはウイルス遺伝情報が入ったメッセンジャーリボ核酸（ｍＲＮＡ・伝令ＲＮＡ）を活用した核酸ワクチン。抗原遺伝子をｍＲＮＡ形態で体内に注入して抗原蛋白質を生成する形で免疫反応を誘導する。

予防効果は高いが、保管・流通が難しい。マイナス７０度前後で超低温保管する必要がある。国内では現在、国際ワクチン供給機構「ＣＯＶＡＸファシリティ」を通じて特例輸入で入った約５万人分を医療スタッフに接種している。これとは別に政府がファイザー社と直接契約した１３００万人分のうち５０万人分がまず今月末までに入り、４－６月期から３００万人分が導入される予定だ。これを受け、早ければ来月から一般国民もファイザーワクチンを接種できる。しかしワクチン接種は防疫当局が定めた順に従うため、ワクチンの種類を個人が決めることはできない。