韓国野党「国民の力」の河泰慶（ハ・テギョン）議員は２２日、「ワクチンの不安だけをあおった鄭清来（チョン・チョンレ）議員、大統領によく見られようとしたが、かえって負担をかけただけだった」とし「国民は大統領の気味尚宮（毒味をする女官）ではない」と批判した。

河議員はこの日、フェイスブックを通じて「（鄭議員の発言は）ワクチンの不安を助長する危険な発言だ」とし「鄭議員の発言を聞いて誰がアストラゼネカワクチンの接種を受けようとするだろうか。大統領を助けるつもりで負担だけをかけた」と明らかにした。

これに先立って鄭議員は「アストラゼネカワクチンは文在寅（ムン・ジェイン）大統領が打ってこそ国民の不信をなくすことができる」という一部の要求に「国家元首が実験対象か」と言って怒りをあらわにした。

河議員は「アストラゼネカワクチンは世界的に効用性に対する懸念がある」とし「このような状況で国民が新型コロナウイルス（新型肺炎）ワクチンに信念を持たせるのは大統領と防疫当局の当然の責務」と話した。

あわせて「世界の数多くの国の指導者がワクチンに対する不安を払拭するためにリアルタイム中継までしながら模範を示している」と説明した。続いて「鄭議員と民主党は模範を見せる意見に対して、大統領は実験対象ではないというとんでもない主張をしている」とした。あわせて「大統領が打てないワクチンなら、国民にも打ってはいけない」とし「自分の言葉に困窮すると、今度は『私と一緒に打とう』という。アストラゼネカは６５歳以上の高齢者にリスクがあるということだが、まだ５０台の鄭議員はその事実も知らないようだ」とした。

これに先立って、劉承ミン（ユ・スンミン）元「国民の力」議員は、１９日にフェイスブックに「アストラゼネカ、大統領が先に打ってこそ不信なくすことができる」という文を掲載した。

すると鄭議員は翌日「（劉氏が）妄言を吐いた」とし「国家元首が実験対象か。これは国家元首に対する嘲弄であり冒とくだ」と怒りをあらわにした。その後、鄭議員は再びコメントを掲載して「そんなに国民の健康が心配なら、あなたと私が先にワクチン接種を打とう」と綴った。

「国家元首を嘲弄した」という鄭議員に対して、国民の力の金雄（キム・ウン）議員は「今まで生きてきて、国民をワクチンの気味尚宮に使おうという話は初めて聞く」とし「これからは国民４大義務の他に、大統領のためにワクチンマルタ（丸太、人体実験の対象）になるべき義務も含まれることになりそうだ」と皮肉った。