【コラム】文大統領を待ち構える帝王的権力の呪い
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.19 11:40
韓国は帝王的な大統領が治める政治後進国だ。「三権が分立する民主共和国」という成文法典の大原則は半世紀以上も眠っている。たった一人が国を左右する。このあきれる間隙が主権者には恥辱だ。
権力の甘い香りに酔った人たちの巧言令色に囲まれた21世紀のツァーは最後の瞬間までレームダックに気づかない。政敵に致命傷を負わせた絶対権力の刃は結局、君主を刺すことで任務を終える。どの大統領もこの厳重な因果の法則に逆らえなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は例外になれるのだろうか。
朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領は憲法を止めて民主主義を窒息させ、18年間にわたり独裁者として君臨した。しかし国民の利益のために全力投球すべき大統領職(presidency)の本質はよく理解していた。最後まで大統領らしかった。肝臓がんで闘病中だった沈宜渙(シム・ウイファン)元総務処長官が1979年10月22日に死去すると、3日後の25日に夫人を慰める直筆の手紙を送った(文化日報10月16日付報道)。「断腸の思いを禁じ得ない」と書いた。金載圭(キム・ジェギュ)の銃に撃たれて絶命した10・26の前日のことだ。