【コラム】元秘書室長ら「最近の韓国大統領府はおかしい」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.15 15:53
2013年2月24日午後4時。李明博(イ・ミョンバク)大統領は中国国家主席の特使とタイ首相と面会した。第17代大統領の最後の公式日程が終わった後、職員と近隣住民らの歓送を受けながら青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)を後にした。夜11時59分、ソウル・ノンヒョン洞の私邸の電話が鳴った。「大統領、国家危機管理室長アン・グァンチャンが報告差し上げます。前後方特異状況はありません」「…これまでご苦労さま」「はい、ありがとうございます。たったいま国軍統帥権が朴槿恵(パク・クネ)大統領に引き継がれたことを国家安保室長内定者を通じて確認しました。ゆっくりお休みください」。書斎の時計は正確に25日午前0時を過ぎつつあった。大統領の統帥権はこのように極めて厳かなのだ。李明博元大統領の自叙伝である『大統領の時間(2008~2013)』 に出てくる内容だ。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の西海(黄海)公務員銃殺対応過程に対する議論は沈静化していない。青瓦台は「大統領の時間はあまり早くてもならず、あまり遅れてもならない、ただ一度の断固とした決定に向けた苦心の時間」と説明した。果たして正しい言葉だろうか。青瓦台のシステムをだれよりもよく知る複数の元青瓦台秘書室長に意見を聞いてみた。全員秘書室長として1年6カ月から2年以上勤務した人たちだ。回答は慎重で用心深かった。