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【時視各角】先端ミサイルを産んだ文政権の対北政策

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.13 11:03
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来るべきものが来た。今月10日夜、われわれは文在寅(ムン・ジェイン)政権が追求してきた韓半島(朝鮮半島)平和プロセスの凄惨な素顔を見た。この日労働党創建記念閲兵式に登場したのは米国本土を打撃する超大型大陸間弾道ミサイル(ICBM)だった。文大統領が先月28日に続き、8日に終戦宣言を訴えたことに対し、北朝鮮はどれも多弾道搭載能力を備えたようなICBMで答えたのだ。

来年初めの米トランプ行政府の終息と共に失敗と判定が出そうな韓半島平和プロセスは一種の「宥和政策」だ。戦争を阻止するためにひとまず要求を聞き入れてなだめようというのが要諦だ。致命的な欠陥は、甘く見られた場合には攻勢を防ぐどころかさらに大きな野心を抱かせることになるということだ。第2次世界大戦直前、ネビル・チェンバレン英首相がヒトラーの領土要求を聞き入れて英国が過酷な攻撃を受けることになったことが代表的なケースだ。

 
チェンバレンの消極的政策に反対したウィンストン・チャーチルはこのように断言した。「力を備えた宥和政策は平和を成し遂げる高貴な方法だが、弱気さや恐怖から出た場合はためにならない」と。あわせてチャーチルは「(弱気な)宥和政策というのは、自身が最後に捕まえられて食べられることを願い、ワニを腹いっぱい食べさせてやることと全く同じだ」と批判した。要するに、宥和政策の成否を分ける核心は自国の国力ということだ。力もなく、ただ譲歩だけすれば軽く見られるのは当たり前ではないか。

こうであるにも関わらず、政界の実力者は先を争って北朝鮮に対して低姿勢外交に没頭している。国連軍司令部の解体、韓米同盟の弱化に続き終戦宣言まで、どれも一様に韓国の安保を弱める措置だ。1953年停戦協定以来67年間多くの軍事衝突があったにもかかわらず、第2の韓国戦(朝鮮戦争)はなかった。事実上、平和が維持されたといえる。だから終戦宣言をしても変わるものはない。ただ「平和が来たから在韓米軍と国連軍司令部は直ちに退け」という北朝鮮の要求に力を付与するだけだ。

このような現実にもかかわらず、文大統領が南北交流に執着するのは、非核化も対話で解決できるという錯覚のためのようだ。2018年一年、南北間対話を通じて3度の首脳会談が行われたのは事実だ。だが、時に小さな成功は大事を誤らせる毒となる。「イカロスの逆説」という言葉がある。ギリシャ神話に出てくるイカロスは父親のダイダロスとともに監獄に閉じ込められた。イカロスはダイダロスが鳥の羽根を蜜蝋でつなげて作った翼で空を飛んで脱獄することに成功する。その時ダイダロスは息子イカロスにこう言った。「高く飛びすぎると太陽の熱で蜜蝋が溶けるから気を付けろ」と。しかし、意気揚揚としたイカロスは父親の言葉を聞かず、太陽に近付いて蜜蝋が溶けたせいで墜落して死んでしまう。小さな成功で得た自信が大きな災いを呼ぶということだ。

金正恩(キム・ジョンウン)は2018年北朝鮮を訪問したマイク・ポンペオ米国務長官から「心から非核化するつもりか」という質問を受けると、このように答えた。「私も父親として、子供が核兵器を背負って生きることを願わない」と。誰が聞いても胸に迫る言葉だ。

文大統領と金正恩は板門店(パンムンジョム)第1回首脳会談で12時間、第2回時には2時間、第3回平壌(ピョンヤン)会談時に至っては2泊3日ほぼずっと一緒だった。このため文大統領はポンペオ長官よりもさらに感動する話を聞いたはずだ。文大統領が金正恩の非核化の約束を固く信じているのも一見理解ができる。

もし金正恩が戦争を願っておらず非核化意志があるとしても、文大統領が忘れてはいけない部分がある。残酷な戦争は偶然の事件で起きることがあるということだ。2500万人以上が死んだ第1次世界大戦はセルビア青年によるオーストリア皇太子暗殺が引き金だった。キューバ危機の時にも、あと少し狂いが生じれば第3次大戦が起きるところだった。偶発的事件が戦争につながらないようにするためには北朝鮮が攻撃する意欲を出せないように強力な力を備えなければならない。

金正恩との談判で米朝首脳会談を引き出したからといって、北朝鮮非核化まで支援と交渉だけで可能だと信じるならそれは大きな誤算だ。人くらいの大きさの雪だるまを転がしたからと言って、家ほどの大きさまで転がすことはできないということだ。

ナム・ジョンホ/論説委員

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