【社説】民間人を殺害した北朝鮮の蛮行を糾弾する
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.25 16:12
北朝鮮が21日、延坪島(ヨンピョンド)沖で長時間漂流して力尽きていた大韓民国海洋水産部の公務員イさんに銃撃を加えて殺害し、遺体に油をかけて毀損した。「天人共怒」の蛮行だ。北朝鮮は最近、コロナ防疫を理由に「国境地帯1キロ以内に接近する外部の者は射殺する」という、文明国家では想像もできない反倫理的な守則を決めたという。しかしいかなる名分であれ、非武装の民間人を射殺して遺体を燃やした行為は許されない。戦時にも民間人の射殺を禁止するジュネーブ条約を正面から違反した国際的な重犯罪だ。またイさんが射殺された場所は9・19南北軍事合意書で一切の敵対行為を禁止した緩衝海域だ。北朝鮮は南北軍事合意も破ったのだ。
韓国軍は、冷たい秋の海で40時間ほど漂流したイさんを北朝鮮水上事業所の船舶が発見し、越北の経緯を追及した後、海上に長時間放置した過程を把握していた。当時、北朝鮮側にイさんの送還を要求しながら迅速に対応していれば、Aさんが6時間後に射殺されて遺体を燃やされるという最悪の事態を防げたかもしれない。しかし軍は「我々の領海でない」として眺めていた。軍の存在理由である国民の生命保護をしなかったのだ。さらに「北がそこまでするとは予想できなかった」という弁解に加え、「9・19合意に銃を撃ってはいけないという規定はない」と北朝鮮をかばう態度を見せ、あきれるしかない状況だ。