【コラム】極右と右は違う=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.09.20 13:22
韓国にも真の意味で極右派がいるだろうか。しばしば過激な「アスファルト保守」、ネット右翼「イルベ」、サラン第一教会チョン・グァンフン牧師を筆頭とした極端主義プロテスタント勢力などを極右派と分類している。しかしこれらは西欧でいう一般的な極右主義とは大きくかけ離れている。概ね極右派とは極端な民族・国家主義者、反ユダヤ・反移民人種主義者を称する。歴史的にはイタリアのファシストとドイツのナチス、米国の白人国粋主義者、イスラム原理主義者などが挙げられる。
『進歩と保守の12種類の理念』(ポール・シューメーカー著)によると、極端右派は多重的共同体アイデンティティを拒否し、宗教・人種・種族などに基づいた単一な共同体に属するというビジョンを夢見る。また、自分たちの政治共同体に対する外部の人の流入を防ぐため移民に反対し既存移住者に対しても市民権と権利、サービスなどを制限すべきと考える。これらは現代の多元的社会内に多様な集団が共存する現実を嫌悪し人種主義を説明する指導者崇拝のような風習を持っている。
こうした基準で見るならば韓国では極右派は珍しいと言える。実際に韓国で人種主義者らは独自の政治勢力を作り上げてもいない。むしろ極端な「反日」を掲げる進歩・左派の民族主義性向が保守右派や極右派よりさらに強いともいえる。