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「韓国が手を差し出せば道が開かれる可能性」…日本経済通3人が見た「スガノミクス」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.16 08:34
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「シュガノミクス時代が開かれた」。

14、15日の2日間にブルームバーグTVやCNBCなど米国経済専門放送で最もよく聞かれた言葉だ。「砂糖(sugar、シュガー)経済」のように聞こえるこの言葉は、日本の新首相・菅義偉の経済政策を表す「スガノミクス(Suganomic)を誤って発音したものだ。

 
海外メディアが伝えたスガノミクスはこのように統一される。「アベノミクスのシーズン2」だ。日本を8年間率いた安倍晋三首相の基調が続くという予想だ。「日本が『安定性』を選択してアベノミクスを延長した」(ブルームバーグ)、「安倍首相の影でアベノミクスを率いた人物が前に出て安倍首相の影に向き合うことになった」(エコノミスト)などの評価がそうだ。

菅新首相に対する期待も大きくないようだ。むしろ否定的な雰囲気までが感じられる。「回転ドア首相の限界を克服できるかが注目される」(ウォールストリートジャーナル=WSJ)、「次の首相のために席を温める程度で終わる可能性もある」(フィナンシャルタイムズ=FT)という分析や予想も出ている。

主要海外メディアの報道のように「安倍2.0」と呼ばれる菅新首相は、安倍首相のアバターと考えてもよいのだろうか。日本国内の専門家の見方は似ているようでやや異なる。Uターンや急ブレーキを踏むことはないが、安倍首相とは違う路線を踏んで自身のカラーを出す可能性があるということだ。

電話とメールでインタビューした島田晴雄・公立大学法人首都大学東京理事長兼慶応大学経済学部名誉教授、唐鎌大輔みずほ銀行チーフマーケットエコノミスト、高橋浩祐元朝日新聞・ブルームバーグ通信記者の声だ。3人ともに日本国内の経済に精通した経済学者と専門家だ。

高橋氏は「菅氏は前に出て(支持者に)愛きょうを見せることはないが、意見を調整して政策を実行する能力が優れている」と話す。

このため自らのカラーを見せるという予想も出ている。「スガノミクスはアベノミクスを継承するものの、自身の色を生かすはず。菅首相は安倍首相ではなく(郵政民営化で勝負して北朝鮮も訪問した)小泉純一郎首相になる可能性がある」(島田氏)。

それでも経済政策は大きな枠で安倍首相の基調を継続するとみられる。菅氏本人も何度か「アベノミクスを継承する」と発言しただけに、安倍首相が主張した「3本の矢」(積極的な財政支出、大胆な量的緩和、構造改革を通じた成長)をやめる理由はない。ただ、日本国内でもアベノミクスに対する批判的な見方は存在する。

島田氏は「アベノミクスをそのまま維持するのは未来の世代に罪を犯すことだ」と指摘した。また「安倍氏は政治家としては立派だったが、票を意識していて、経済でもそうだった」とし「現在の日本経済は根本的な大手術が必要な状況であり、菅氏がそれをやり遂げなければいけない」と強調した。

状況は厳しい。日本の国家債務は国内総生産(GDP)比で300%に迫る。インフレーションは魔の1%を超えず「D(デフレーション)の恐怖」は長く続いている。すでに日本銀行(日銀)は世界で初めてマイナス金利政策を採択した。攻撃的な量的緩和(QE)で金融緩和を続けているが力不足だ。新型コロナウイルス感染症の衝撃も大きい。FTが14日、「菅氏が安倍氏よりも良くないスタートラインに立っている」と評価した背景だ。

唐鎌氏は「すでに日銀と政府が使えるカードはすべて使った状況」とし「パンデミック状況でこの方向を変えるのは容易でなく、可能でもない」と説明した。量的緩和(QE)およびマイナス金利政策などの基調は維持され、黒田東彦日銀総裁の留任も確実視されるということだ。唐鎌氏は「対応できない状態の日本の金融政策で菅氏がどんな政策を見せるかが注目される」とコメントした。

菅氏が安倍氏との違いを表すことができるのは「3本目の矢」の構造改革になる可能性が高いというのが、日本国内の見方だ。菅氏の経済ブレーンとして知られる竹中平蔵元総務相は14日(現地時間)、FTに「総務相時代に不良債権を整理する改革をしようとしたが、大多数が反対し、少数の政治家だけが賛成した」とし「その少数の1人が菅氏だった」と話した。

島田氏もインタビューで「菅氏は意見の調整に優れた人だが、構造改革の意志が強い」とし「改革の動力を手放さず、意見調整を通じて葛藤を最小化できる人物」と説明した。島田氏は「今の日本は徳川幕府の最後の10年と似ている」とし「現在に酔っていつまた別の危機がくるか分からない状況で、菅氏が賢く解決して小泉氏のような人物として記憶されることを望む」と述べた。

「スガノミクス」の改革方向は予測できるのだろうか。高橋氏は「菅氏は成長経済に傍点を打つ新自由主義者であり、官房長官時代から中小企業と銀行の構造改革のための規制緩和の必要性を強調していた」とし「(経済体質改善のための)構造改革のために、生産性が低くて競争力が落ちる企業にメスを入れる可能性がある」と説明した。

ふさがった韓日関係に菅氏の登場が変曲点になる可能性はあるのだろうか。昨年7月に日本経済産業省が韓国に輸出する日本企業に取った輸出規制措置や強制徴用賠償判決などをめぐる両国の対立状況は相変わらずだ。

日本の専門家は菅氏の登場が韓国に機会になり得ると予想した。島田氏は「菅氏の個人的な特性と日本政治の現在の雰囲気を見ると、菅氏が先に文在寅(ムン・ジェイン)大統領に手を差し出す可能性はゼロ」としながらも「しかし意見の聴取と調整を重視する菅氏の特性上、韓国側が先に歩み寄れば道を開くことができる」と助言した。

高橋氏も「日本で輸出規制問題は韓国の徴用問題への対応的性格が強い」とし「これは菅政権でも変わらないだろう」という見方を示した。続いて「韓国政府が妥協点を見いだすジェスチャーを見せれば協議の可能性はある」という見方を示した。

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