菅義偉官房長官が次期自民党総裁選に立候補するものとみられる。

３０日、共同通信は、菅氏が安倍晋三首相の後任を決める次期自民党総裁選に立候補する考えを二階俊博自民党幹事長に伝えたと関係者を引用して報じた。自民党内の各派閥が菅氏を支持していると言われ、次期首相はひとまず菅氏に傾く雰囲気だ。

◆「まったく考えたことはない」と言っていた菅氏、出馬の可能性否定せず

菅氏は安倍氏が辞任を表明した翌日の２９日、「ポスト安倍」の意向について尋ねる記者に「いろいろな声があることは承知している」として出馬の可能性について否定しなかった。

この日、自身のブログに「ずっと側で支えてきた私としても大変残念ですが、国民の命と暮らしを守るために、全力で職責を全うしてまいります」と綴った。その間、首相職についてこれまで公然と「まったく考えたことはない」と話してきたのとは全く違うニュアンスだった。

菅氏は党総裁選出方式が決まる来月１日以降、正式に出馬意志を表明するものとみられる。

時事通信は党内第２の大派閥を率いる麻生太郎経済副首相も周辺に「菅氏が（次期首相として）最も安定感がある」と話したと伝えた。３番目に大きい竹下派の幹部も「次は菅氏」と語ったことを報じた。

◆「キーマン」二階も菅側に…支持派閥の半数超える

菅氏は無派閥だが、彼に従ういわゆる「菅系」議員が約３０人いる。ここに安倍首相を輩出した細田派（９７人）、麻生派（５６人）、竹下派（５４人）が総出で菅氏を支持する場合、自民党議員（３９４人）の半分を越えることになる。

キーマンは二階派（４７人）を率いる二階俊博幹事長だ。二階氏は最近３カ月、続けて菅氏と会食を重ねるなど急速に距離を縮めてきた。ある消息筋は中央日報に対して「菅氏に安倍氏との不話説が出たとき、これをとりなした人物が二階氏だった」としながら「二階氏は幹事長の職を維持したいために接近した側面があるが、菅氏の立場では二階氏は恩人」と話した。

ＮＨＫによると、二階氏と菅氏は２９日夜にも都内で緊急会合を行った。この席で菅氏を次期総裁として「擁立」する案を議論した可能性もある。

◆安定感を全面に掲げ　「菅総理には菅官房長官がいないという問題がある」

菅氏の武器はその危機管理能力が挙げられる。２０１２年１２月に安倍第２次内閣が発足して以降、７年８カ月にわたって官房長官を務め、何より安倍→菅への政権履行が自然だという点だ。

安倍氏も今年７月、ある月刊誌のインタビューで「有力な候補者の一人であることは間違いない」としながら、「ただ、菅総理には菅官房長官がいないという問題がある」と話すほど、菅氏の危機管理能力は政権内でも高い評価を受けている。

菅氏は「Ｇｏ　Ｔｏ　トラベル」キャンペーンを主導するなど、７月から安倍氏に代わって国政の前面に出始めた。昨年新しい年号を発表して「令和おじさん」として脚光をあび、国民的な認知度も高い。

ある政界消息筋は中央日報に「残り任期１年の間、新型コロナウイルス（新型肺炎）などあらゆる対策を率いていく適任者だとみる雰囲気が強い」と伝えた。

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