【BOOK】最悪の韓日対立、「歴史和解プロセス」が解決策
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.08.23 12:04
ギリシャ語の「アポリア」は解決が困難な問題という意味だ。前後がふさがり進むことも戻ることもできない行き止まりだ。いま韓日両国の外交関係がまさにこうした状況だ。その対立の引き金は、2018年10月30日に韓国大法院(最高裁)大法院が新日鉄住金(現日本製鉄)に対し日帝強制徴用被害者に1億ウォンずつの賠償を命じた判決だった。影響はメガトン級だった。訴訟当事者が多く潜在的な賠償対象者が数十万人に達するためだ。
日本政府はすぐに反発した。「徴用被害者問題は1965年の韓日請求権協定により解決が完了した」としながらだ。しかし韓国政府は三権分立に基づき大法院判決を尊重すると対抗する。大法院の判決論理は「個人請求権は国同士の条約によって消滅しない」だった。日本政府も過去にこうした趣旨で答えたことがあり、国際人権法も「個人の賠償権を国同士の協定や条約によって消滅させることはできない」とみるのが主流だ。
それこそ両国関係がアポリアに陥ったが、両国政府は一歩も退く兆しはない。両国が互いに首脳会談を忌避し、外交ラインの実務対話も減った。韓日ビジョンフォーラムはこうした背景から昨年初めに始まった。民間次元ででも韓日対話の糸口を見いださなければならないという趣旨だった。『対立に包まれた韓日関係-懸案、リスク、対応』は昨年初めから最近まで17回にわたり開催されたこのフォーラムの議論内容を収めた。