全国民に緊急災害支援金を支給した余波で５月の財政は過去最悪水準に悪化した。支出は増えたが税収は振るわず赤字幅が大きくなり、相次ぐ追加補正予算で国の負債も７６４兆２０００億ウォンで最高値となった。過去最大規模の第３次追加補正予算が国会を通過したため今後の財政事情はさらに厳しくなる見通しだ。

企画財政部が７日に刊行した「月刊財政動向７月号」によると、５月の財政総収入は３１兆９０００億ウォンだ。前年同月より１３兆２０００億ウォン減った。５月の収入が減り１～５月の総収入も昨年より１７兆７０００億ウォン少ない１９８兆１０００億ウォンを記録した。当初政府が目標にした税収進捗度より４．２ポイント低い数値だ。

政府総収入が減った理由は、最も大きな割合を占める国税収入が急減したためだ。１～５月の累計国税収入は１１８兆２０００億ウォンで前年同期比２１兆３０００億ウォン（１５．３％）減少した。企画財政部は▽新型コロナウイルス関連税政支援にともなう納期延長▽昨年５月に集計した法人税分納分納付期限変動分の６月帰属▽総合不動産税分納期限が６月に変更された点などを考慮すると実際の５月までの累計税収減少は１０兆７０００億になると推算した。

韓国政府は１～５月に２５９兆５０００億ウォンを支出した。前年同期より２４兆５０００億ウォン多い。特に５月の支出は前年同月より１１兆５０００億ウォン増えた４９兆８０００億ウォンと集計された。災害支援金支給のため第２次追加補正予算を執行した結果だ。

稼ぎは減り支出は大きくなり帳簿は再び赤字を記録した。総収入から総支出を差し引いた統合財政収支は１～５月に６１兆３０００億ウォンの赤字を出した。統合財政収支から国民年金、雇用保険基金など社会保障性基金の収支を除き政府の実質的な財政状況を示す管理財政収支も７７兆９０００億ウォンの赤字となった。前年同期より４１兆４０００億ウォン（１１３％）拡大し、赤字規模としては過去最大だ。

国の負債はさらに膨らんだ。５月末基準で中央政府の債務は７６４兆２０００億ウォンだった。ここに災害支援金支給に向けた第２次追加補正予算、過去最大３５兆１０００億ウォン規模の第３次追加補正予算まで加えれば財政健全性はさらに悪化する見通しだ。第３次追加補正予算の影響で年末に国内総生産（ＧＤＰ）に対する国の債務比率は４３．５％に上昇する見通しだ。企画財政部関係者は「国税収入・支出の一時的要因で赤字が多少大きく増加したが、年間基準で見た収入・支出は適切な限度内で管理する予定」と話した。