【中央時評】北朝鮮の危機、金与正の手(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.24 11:03
金氏一家にはすべて計画があるようだ。金与正(キム・ヨジョン)氏が「対敵事業」を宣言したその3日後、これみよがしに南北共同連絡事務所を爆破させた。玉流館(オクリュグァン)のコック長まで出てきて激しい言葉を浴びせている。韓国に「ビラ雷」を降り注ぐという一般人の寄稿文も労働新聞に掲載された。一部は北朝鮮が韓国に対して非常に腹を立てているのだと信じている。北朝鮮に対するビラ散布も防げず、米国の顔色伺いで忙しく、民族間の事業を勇気を持って推進できなかったのだと主張する。果たしてそれだけだろうか。彼らの一部は北朝鮮はしっかりした内需があるので制裁は効果ないと主張した。ところが突然北朝鮮経済は厳しいのだから援助するべきだと言葉を変える。このようにパトスによってロゴスが踊る彼らの言葉に、今後も韓半島(朝鮮半島)の運命を任せなければならないのだろうか。
独裁者は単なる腹いせ目的で政策を決めることはない。それでは数年も持たない。金正恩(キム・ジョンウン)氏が核と大陸間弾道ミサイル試験を続けざまに行い、制裁によって窮地に追い込まれると突然宥和・交渉モードに急変したのを見よ。国政システムがない国で独裁者は自ら局面変化に柔軟かつ冷静に対処しなければならない。そうしてこそ身の安全を確保し、権力の座も守ることができる。では北朝鮮が狙う利益は何であり、このためにどのような戦術を使っているのか。