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【時視各角】「K防疫」という危険な自画自賛

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.23 10:36
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この世で最も危険な哺乳類は何か。ライオンやトラ? 答はおとなしく鈍く見えるカバだ。カバに襲われ死亡する人は年間平均500人。ライオンの100人、ゾウの100人、トラの50人よりはるかに多い。

犠牲者が多いのは誤った認識によるところも大きい。知らずに近付いて噛み殺される観光客が少なくない。見た目とは違いカバは30センチメートルを超える歯で一気に胴を貫く上、100メートルを9秒で走る。錯覚がどれだけ致命的であるかを見せる実例だ。

これまで韓国政府は「K防疫」うんぬんしながら韓国が新型コロナ遮断の模範国だと自画自賛してきた。米国、イタリア、フランスなど防疫に失敗した西洋の先進国と比較し韓国を優等生と描写してきた。果たしてそうだろうか。周辺を見よう。韓国から近いアジア太平洋地域には北朝鮮を除き21カ国が属している。韓中日と東南アジア10カ国、オセアニア4カ国にモンゴル、台湾、香港、マカオが含まれる。

ここで人口比の感染者を数えると韓国の防疫成績はあまりにみすぼらしい。21カ国中16番目、下から6番目だ。22日現在で韓国の100万人当たり感染者数は241人。これより多い国はシンガポールの7212人、ブルネイの336人、オーストラリアの296人、マレーシアの270人、フィリピンの267人程度だ。それなのに文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「韓国は防疫で世界を先導する国になった」と自慢する。さらに当局は1200億ウォンに上るK防疫広報予算まで組んだ。

こうした虚勢が言葉で終わればまだ幸いだ。だが誤った宣伝は国民を危険に陥れる。政府と与党は4月の総選挙直前に新規感染者が20人以下に減るとすぐに新型コロナ遮断に成功したと宣伝し始めた。これにより国民の緊張とソーシャルディスタンスが緩んだのは当然だった。今月初めに防疫専門家らが「前半戦も終わっていないのにK防疫を輸出しようというのはシャンパンをあまりに早く開けたもの」と警告したが効果はなかった。

結果はどうだったか。最近目撃しているように1日の感染者が70人近くに増え第2波を心配することになった。外信の見方も冷たくなった。数日前に「ウイルスの復活が韓国の成功談を脅かす」というAP通信の記事が配信されると多くの海外メディアが先を争って掲載した。

韓国政府の性急な判断と騒がしい宣伝で損なわれるのは国民の健康だけではない。南北問題も同じだ。韓国政府が誤った認識を広めたために南北関係と非核化問題は崖っぷちに追いやられた。韓国政府は韓半島(朝鮮半島)に平和が来たかのように絶えず宣伝してきた。2018年9月の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)元老会議で文大統領は「北朝鮮は核・ミサイルをさらに発展させ高度化させる作業を放棄した」と主張した。北朝鮮はしかし北朝鮮版イスカンデルミサイルなどの発射実験を継続してきた。米国が心配する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)実験も近く行われそうだ。

昨年7月の金正恩(キム・ジョンウン)委員長とトランプ米大統領の板門店(パンムンジョム)での会談後に出てきた文大統領の主張も無駄なものだった。当時彼は「米朝が行動で敵対関係の終息と新たな平和時代の本格的な開始を宣言した」と主張した。だが双方の間では公式の対話すら途絶えた。

国民だけでない。文政権は北側に誤った情報を入力して交渉をだめにした可能性が大きい。朝日新聞によると、金正恩は昨年2月のハノイでの米朝首脳会談の際に文大統領のアドバイスを信じて寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄を提案しメンツをつぶされたという。当時金正恩は「寧辺さえ閉鎖すれば米国が制裁を解除するだろう」という話を信じたということだ。

このように文大統領から冷静な現実の代わりに甘言式希望事項ばかり並べたために南北だけでなく米朝関係悪化に南北連絡事務所爆破のような惨事が起きたのだ。韓国政府が北朝鮮の欺瞞的非核化主張を見抜きその本音をしっかりと知らせたなら170億ウォンの連絡事務所が作られただろうか。政権が甘い話ばかり並べていては迷夢から目覚めた国民の憤怒と審判を避けることができなくなる。

ナム・ジョンホ/論説委員

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