【社説】度を超えた北朝鮮の挑発…非核化交渉以外に道はない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.08 11:31
北朝鮮の対南脅迫が度を超え、しかもそのレベルもかなり高まっている。今月4日、金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が「くず」「X犬」のような、口にすることもはばかられるような罵声を浴びせながら脱北団体のビラ散布を阻止しろと韓国政府に要求する談話でだ。その翌日には北朝鮮統一戦線部が「敵はやはり敵だ。行くところまで行ってみよう」とし「南北共同連絡事務所を断じて撤廃する」とすごんだ。韓国統一部は与正氏の談話の発表4時間半後に緊急ブリーフィングを開いて「ビラ散布禁止法案を検討中」と発表した。時を合わせるようにして青瓦台(チョンワデ、大統領府)も「ビラは百害無益」という発言を出した。国内の批判世論を覚悟しながらも、北朝鮮の不満をなだめるために迅速に動いた。
ところが北朝鮮の対南攻勢はさらに激しくなった。北朝鮮の宣伝メディア「わが民族同士」は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「好循環関係」主張を具体的に取り上げて「無知と無能の極限状態」「月の国でしか通じない月の国のたわごと」とこき下ろした。宣伝メディア「こだま」も文政府を「史上最悪の無知無能政権」と非難した。このような賊反荷杖(居直り)式のごり押し形態を総合してみると、ビラはただの言い訳で、何かもっと複雑な意図が根底にあるのではないかとも考えることができる。脱北団体のビラ散布にいくら怒ったとしても、南北首脳が共同追認した南北軍事合意と南北連絡事務所を「なかったこと」にすると脅迫する理由に挙げるには事案の重みが釣り合わないためだ。