エスパー米国防長官が最終段階に入った第１１次韓米防衛費分担金特別協定（ＳＭＡ）の交渉のため鄭景斗（チョン・ギョンドゥ）国防部長官と電話会談をした。

エスパー長官は７日、自身のツイッターに「鄭長官が今日、公正な防衛費分担の重要性を議論するため、私の電話に応じたことに感謝する。公平でバランスが取れた包括的な合意を迅速に実現させることが重要だ」とコメントし、韓米同盟のスローガン「一緒に行こいう」を英語で書いた。

韓国国防部によると、両長官の電話会談は６日午後８時３０分から２５分間行われた。韓国政府がＳＭＡ「暫定妥結」の雰囲気を強調したことに米国が反発した中、ひとまず韓米が交渉を再び継続するために電話会談を要請したとみられる。

普通、韓米国防長官の会談は事前に調整する。そして事後に報道資料を出すのが慣例だ。しかしこの日の電話会談は関連の報道資料がなかった。急に電話会談が決まったという傍証だ。

国防部のチェ・ヒョンス報道官は７日の定例会見で「今回の電話会談は米側の要請で行われた」とし「両長官はＳＭＡ交渉が相互同意可能で公正な水準で決定されるべきという点と、早期合意のために共に努力する必要があるという点に共感した」と述べた。チェ報道官は「鄭長官は在韓米軍韓国人勤労者の無給休職問題を最優先に解決すべきという点を改めて強調した」と伝えた。

しかし政府関係者は「鄭長官の要請に対してエスパー長官が明確な返答をしなかったと聞いている」と話した。エスパー長官がツイッターで「包括的合意」に言及した理由は、ＳＭＡ交渉で韓国人勤労者無給休職問題だけを別に外すことはできないという点を示したという解釈だ。別の政府関係者は「この日の電話で韓米は立場の違いを改めて確認した」と伝えた。

その間、韓米は２日の外交トップ（康京和外交長官－ポンペオ国務長官）間の電話でＳＭＡ合意を模索したが、実現しなかった。エイブラムス在韓米軍司令官は同日、「キムチの汁の飲む（捕らぬ狸の皮算用）」と書かれたイメージをリツイートし、韓国側から「無礼」という指摘を受けながら論議を呼んだ。

このため国防部内外では「米国が『我々は交渉に最善を尽くしている』というメッセージを投じて韓国に圧力を加えながら、エイブラムス司令官のリツイートを希釈する狙いがあるのでは」という解釈が出ている。

朴元坤（パク・ウォンゴン）韓東大国際地域学科教授は「エスパー長官は韓国人勤労者の無給休職が準備態勢に悪影響を与えかねないというエイブラムス司令官の意見に同意している。それでポンペオ長官とトランプ大統領に『ＳＭＡにサインしよう』と建議した」とし「この日の電話でトランプ大統領を説得するには韓国が総額でもう少し誠意を見せてほしいという意を伝えたと考えられる」と述べた。