米国と中国の貿易紛争がさらに長期化すれば、韓国が米国を抜いて世界半導体市場１位を占めるという見通しが出てきた。

だが、中国が半導体自立に向けた「中国製造２０２５」を加速していて韓国の１位は長続きしないという分析だ。

◆米国の半導体シェア、５年内に１８％ポイント下落懸念

１１日、米国ボストン・コンサルティング・グループ（ＢＣＧ）は「中国との貿易制限が半導体市場における米国のリーダーシップをどのように終わらせるのか（Ｈｏｗ　Ｒｅｓｔｒｉｃｔｉｎｇ　Ｔｒａｄｅ　ｗｉｔｈ　Ｃｈｉｎａ　Ｃｏｕｌｄ　Ｅｎｄ　ＵＳ　Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ　Ｌｅａｄｅｒｓｈｉｐ）」というタイトルの報告書発表した。ＢＣＧはこの報告書で「米国が半導体企業の中国向け販売を今後も禁止し続ければ、技術デカップリング（脱同調化）が発生する」と警告した。続いてＢＣＧは「この場合、米国のグローバル半導体市場シェアは３～５年以内に従来の４８％から１８％ポイント下落する可能性がある」と予測した。

ＢＣＧは米中葛藤の反射利益を得ることになる韓国は世界半導体市場シェアを２０１８年基準２４％から最大３１％まで引き上げて米国占有率（３０％）を超えると予想した。ＢＣＧは「メモリー半導体の需要増加が韓国のシェア拡大を導くものとみられる」とし「非メモリー事業に対するサムスン電子の強力なドライブも一役買うだろう」と明らかにした。また「韓国政府がメモリー半導体市場を越えてグローバル半導体競争力を向上させる政策を推進している」と付け加えた。

ただし、ＢＣＧは米国の対中貿易制裁が現水準を維持する場合、米国の半導体市場シェアは長期的に８％ポイント下落するのにとどまると予想した。この場合、韓国半導体シェアは２６％まで高まるが、半導体１位にはなれないということだ。

◆「米、半導体技術的優位享受できない」

ＢＣＧは「米国半導体メーカーは遠からず技術的優位を享受できなくなる」としながら「追加的なシェア下落が避けられない」と強調した。特に、米中半導体メーカー間の技術デカップリングが現実化すれば米国半導体メーカーの売上は３７％減少し、研究開発（Ｒ＆Ｄ）投資もまた３０～６０％縮小すると展望した。半導体関連の雇用も１２万４０００件減少するとしている。ＢＣＧは「米国と中国は両国の安保利益を保護すると同時に半導体企業が研究開発投資を持続することができるように新たなバランス点を探さなければならない」と主張した。

◆中国製造２０２５、成功すれば中国が世界１位

ＢＣＧはまた、中国が半導体市場１位になる可能性にも言及した。まず、中国政府の製造業育成プロジェクト「中国製造２０２５」が成功する場合だ。中国政府は２０２５年までに半導体自給率を７０％に引き上げるという目標を立てた。ＢＣＧは「中国製造２０２５が成功する場合、中国の半導体自給率は４０％まで高まり、グローバルシェアは１０％台を記録するようになる」としながら「中国が目標通りに自給率を７０％以上に引き上げればグローバル市場シェアも３０％を超えるようになるだろう」と見通した。