国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のトーマス・バッハ会長が福島県で開かれる東京オリンピック（五輪）野球の第１戦を観戦すると明らかにした。新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）事態で日本国内ですら五輪開催を疑問視している中で開催に意欲を示したものとみられる。

１０日、ＮＨＫは五輪大会関係者を引用して「バッハ会長が７月２９日、福島県営あづま球場で行われる野球の第１戦を観戦する方針で日程を調整している」と伝えた。

これに先立ち、３日バッハ会長はＩＯＣ執行委員会名義の声明を異例に直接発表した。この日、彼は選手たちに向かって「自信を持って五輪の準備を続けてほしい」と呼びかけるなど、東京五輪の開催に重きを置いた。

バッハ会長が「野球の第１戦を観戦する」という意味も東京五輪の開催を強調するためのものとみられる。

日本は今回の五輪に「復興五輪」を掲げて２０１１年東日本大震災で被害が大きかった地域で一部の競技を分けて行う計画だ。最も象徴的な場所である福島県では日本の「国民スポーツ」である野球とソフトボールを、宮城県ではサッカーを行う。

韓国などではあづま球場が福島第１原子力発電所の付近にあり放射能問題を懸念してきた。

しかし、日本の意志は確固たるものだった。野球競技はもちろん、五輪期間中に参加選手団と関係者たちに福島付近の農水産物を食材として提供する方針だ。これは日本政府が該当地域が放射能問題を克服したと国際社会に宣伝するための目的がある。

一方、ＮＨＫが９日公開した全国世論調査（６～８日実施、１８歳以上１２４０人回答）によると、回答者の４５％が東京五輪を「予定通り開催できないと思う」と答えた。「予定通り開催することができる」は４０％だった。日本の国民が新型肺炎事態が長期化する可能性が大きいと考えているという意味だ。