【コラム】新型コロナ事態で大しけの韓半島情勢(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.07 10:58
新型コロナウイルス感染症によって中国社会は「恐怖の伝染」に陥っている。1カ月間マスクと防疫服を脱ぐことができずに死闘を繰り広げている医療スタッフの献身と「外出を控えてマスクを無駄遣いせずに戦線に送ろう」という市民意識にもかかわらず、確定患者の死亡者数が急激に増えている。初動対処が遅れたという嘆きは次第に脆弱な保健医療システムと硬直した党国家体制に向かっている。中国経済も大きく萎縮した。昨年やっとのことで達成した6.1%経済成長率を今年も達成するには力が足りず、今回の件の余波で前年比0.5%ポイントまで下落する可能性もあるとの悲観的な見通しも登場した。ここに慢性的な地方政府の負債やシャドー・バンキング・システムなど「灰色のサイ」(grey rhino)現象が水面上に浮上しながら中国発危機の可能性も高まっている。
このような点で、短期的に中国政府はすべての力を民心離反という後遺症克服に投じて、今年の国家戦略の核心目標である中国版中進国である「全面的小康社会の建設」に集中して、これを中国共産党創党100周年である来年まで政治的動力としようと考えるだろう。たとえ中国外交部報道官の不満のように、今回のコロナウイルス事態に米国がいかなる実質的支援もせずに迅速な撤収を通じて中国の不満を買っているが、米国が中国の核心利益を侵害しない限り、外部の脅威認識を高めて安保化(securitization)するよりも低姿勢で未来に活路を見出す韜光養晦戦略を取る可能性が高い。今年1月15日、中国が米国と第1次貿易交渉に署名する過程で新たに経験した米国覇権の力もこのような対外認識と韓半島(朝鮮半島)政策にも影響を与えるだろう。
◆コロナ事態で韓半島情勢は大しけ