【コラム】メシアはいない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.24 14:54
相次ぐデモに苦しんでいるフランスのマクロン大統領の評価が韓国で急上昇している。保守政権10年の「積弊」と積弊清算を呪文のように唱えながら執権し「新積弊」を生み出した進歩政権に失望した韓国の人々に清凉剤となっている。マクロン大統領は2017年、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と4日の差で就任した。マクロン大統領は経済・産業・デジタル相を辞任し、「アン・マルシュ」を結成して大統領選挙で当選した。左派でも右派でもない中道を標ぼうして旋風を起こした。「過去の数十年間、左派・右派政治家は公共支出を増やし、未来の世代に負担を押しつけた。現実に立ち向かう勇気がなく、子どもたちに耐えがたい負債を押しつける卑怯な行為をした」。フランスを低成長・高失業の泥沼に陥れた政界の無能を攻撃し、「フランス病」の治療を訴えた39歳の青年の覇気に有権者は喝采を送った。
しかしマクロン大統領の真価は「雄弁」でなく「実践」で表れた。執権するとすぐに富裕税廃止、法人税引き下げ、福祉予算削減を一瀉千里に進めると、2018年には油類税引き上げまで断行した。パリ郊外に暮らして自動車で出退勤する中産層・庶民が油類税引き上げに反発した。自動車事故に対応するため車内に義務的に備えている蛍光色の黄色いベストを着た運転者のデモは、マクロン退陣運動にまで広がった。支持率は20%台に落ちた。しかし失業が減り、景気が反騰したことで、危機から免れた。「解雇しやすい環境」を作ったところ、企業の雇用が回復したのだ。