韓国の文正仁（ムン・ジョンイン）大統領統一外交安保特別補佐官（以下、特補）は、強制徴用問題の解決方案について「文喜相（ムン・ヒサン）（国会）議長が提案した１＋１＋α（アルファ）案が原告側も日本側も受け入れることができる最も合理的な選択肢ではないだろうか」と話した。

文特補は、２６日に報じられた日本のメディアとのインタビューで「もちろん原告側との協議も必要だ。日本側も当初（文議長の提案に）否定していたが、最近では（肯定的に）態度が変わった」と話した。

文議長の「１＋１＋α」案は韓日両国企業と両国国民の自発的寄付で基金を作り、強制徴用と慰安婦被害者に慰謝料を支給しようという構想だ。しかし、被害者は「お金を何文かもらおうと思ってこのような主張をしているわけではない」として否定的だ。

文特補は「立法府で特別法ができれば行政府は非常に楽になる」とし「日本の国会議員も韓日議員連盟を通じて韓国の国会議員と多くの話をする必要がある」と話した。

文特補は韓日関係に対して、１２月下旬に中国で行われる韓日中首脳会議を契機に推進される韓日首脳会談で「多くの合意をし、進展が得られるよう願う」とし「良い雰囲気になり、来年に大統領が日本を国賓訪問し、その次に安倍晋三首相が韓国を国賓訪問することができれば、新しい関係の始まりになる」と明らかにした。

ただし、文特補は前日の韓国ＪＴＢＣとのインタビューで「１２月の首脳会談前に輸出規制問題が解消されるべきだ。加えて強制徴用問題に対しても（その前に）基本的な合意の枠組みが作られるべきだ」とし「そうではない状態では首脳会談を行うことは非常に難しいだろう」と明らかにしたことがある。

文特補は韓米防衛費分担金交渉に関連し、「同盟は目的ではなく国益のための手段」としながら「米国側の一方的な要求に対し、韓国がそのまま承服するのは難しい」と話した。

文特補は「国民の多数が大韓民国の過度な防衛費分担はノーと言っているのに、政府はどうしたら譲歩できるのか」とし「米国が過度な圧迫を続けるなら、韓米同盟を積極的に支持する（韓国国民の）３０～４０％も（考えが）変わりかねず、（米国）政府に新たな代案を模索するよう求める場合がある」と話した。

米国が「在韓米軍縮小」カードを使うことができるのではないかとの質問には、「韓米同盟の状況を崩そうとすれば縮小オプションを使うこともできる。だが、在韓米軍を一方的に縮小して同盟を揺さぶれば韓国国民も黙っていないはずだ」と話した。

あわせて「トランプ大統領が使える縮小兵力数は５０００人前後だ。その程度縮小するとしても韓米同盟の基本的な枠組みや対北軍事的抑止力に大きな変化が生じるとは見ていない」として「その場合、韓国政府も楽な姿勢で米国と交渉できるのではないかと思う」と付け加えた。