【コラム】「サンキュー、安倍」と言えるようになるには
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2019.07.13 13:04
経済学の父と呼ばれるアダム・スミスは富国の解決法を分業から見出した。彼は「分業→専門化・単純化→大量生産→新技術導入」の好循環を成し遂げられると考えた。アダム・スミスの『国富論』を読んで経済学の研究を始めたデヴィッド・リカードは比較優位論を主張した。彼はある国が比較優位を持つ分野に特化して他の国と貿易をすることが望ましいと考えた。
分業と比較優位論は近代以降、自由貿易と国家間の分業の基本理論として地位を確立した。ただし現実ではここから外れるようなことがたびたび起きる。ドナルド・トランプ米国大統領が代表的な「異端児」だ。今のところ対中貿易赤字を減らしながら来年の大統領再選を狙って、未来の覇権戦争で有力なライバルである中国をあらかじめ制圧しようとする彼は米国第一主義を前面に掲げている。彼にとって分業と比較優位論は経済学教科書にしか出てこない死んだ理論にすぎない。