【噴水台】ディテールのクラス=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.28 10:53
フランスのカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した映画監督ポン・ジュノは「ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)」と呼ばれる。俳優の台詞や行動、小道具、背景など想像できうるほとんどの映画的要素に作家の考えとメッセージを込める彼の繊細さとち密さを称賛する言葉だ。彼自身は好きではないというが、能力が卓越しているためニックネームになった。
カンヌ受賞後のインタビューでポン監督は「観客の弾ける笑いの中に、その後ろに鋭い短刀が隠れている感じ…そのようなものが私が好きなやり方」と話した。映画を見た人は誰でも共感する「感じ」であり「やり方」だ。捕まえたい犯人を捕まえられないのに面白さと感動が残る犯罪スリラー(『殺人の追憶』、2003年)、私たちのすぐ近くにある漢江(ハンガン)を舞台に不条理とヒューマニズムを掛け合わせた怪獣映画(『グエムル-漢江の怪物-』、2006年)をそのようなディテールで描写した。歴代作品のうち最も劣等な生命体(寄生虫)で最高の賞を獲得したのも、ひょっとしてポン監督が隠し持っていた装置なのではないかと疑われるほどだ。とにかく、彼の天才的才能はカンヌを魅了した。