【コラム】協治と蕩平のない包容は偽善だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.02 14:55
なぜ、ある社会は成功し、ある社会は失敗するのか。『銃・病原菌・鉄』の著者としてよく知られるジャレド・ダイアモンド・カリフォルニア州立大(UCLA)教授が共同体の成功と失敗の要因を文化人類学的な観点で分析した本が『文明崩壊』だ。彼が発見した、成功した共同体と失敗した共同体の決定的な差は、長期計画樹立能力と核心価値調整能力だ。危機要因を先制的に把握して長期的な決定ができるのか。共同体の価値のうち守るものと捨てるものを区別し、新しい核心価値を受け入れる果敢な決定ができるのか。この2つの決定をうまくした社会は成功して存続するが、そうでない社会は失敗して崩壊するということだ。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が叩かれている。不適格な人物を大量に閣僚候補に指名し、さらに「大統領の口」である青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官までが不動産投機に加担したことが明らかになり、強烈なパンチを浴びた。期待していた経済指標はすべて赤色で、南北関係と対外関係にも赤信号がついている。対策もなく叩かれている文在寅政権を眺める人たちの内心はそれぞれ違うだろう。残念だと思う人もいて、いい気味だと思う人もいるはずだ。「誰がやっても同じ」と考えて期待を捨てる人もいるかもだろう。しかし文在寅政権の成敗は他人事ではない。我々の社会の成功と失敗、生存と崩壊がかかる問題だ。