【コラム】日本に行った韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.26 07:14
空っぽの顔の女。韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』の日本語版表紙だ。長いストレートの髪とやや面長な顔、バラ模様が入った服のおかげで目鼻口がなくても女性の顔だと察することができる。女が背を向けて立っている空は澄んでいるが、ぽっかりと穴が空いた顔の向こうに見えるやせこけた木と荒涼な背景は限りなくむなしい。
金薫(キム・フン)の『孤将』(2007)、申京淑(シン・ギョンスク)の『母をお願い』(2009)に続き、この本がほぼ10年ぶりに韓国でミリオンセラーになったのがすでに3カ月前だ。100万人以上が購入したので「この時代を代表する本」といえるだろう。日本でも反響が大きい。出版約2カ月で8万部を刷った。先日、東京で開かれた著者との対談も大変なにぎわいをみせたという。