文大統領、慰安婦財団の解散示唆…宙に浮いた10億円
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.27 06:48
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が25日(現地時間)、米国ニューヨークで安倍晋三首相に会って慰安婦被害者の「和解・癒やし財団」(以下、財団)に対して「正常な機能を果たせずにいる」とし「賢く決着させる必要がある」と述べた。2015年朴槿恵(パク・クネ)政府当時、韓日慰安婦合意の結果として翌年7月に発足した財団を、事実上、解散するという意向を日本政府に伝えたものだ。
財団は昨年12月、民間理事陣が全員辞任して有名無実化した状態だ。問題は日本政府が拠出した10億円の扱いと韓日関係のゆくえだ。財団はこの10億円で被害者と遺族に対する癒やし金を支給する事業を行ってきた。これを通じて生存被害者34人と死亡者58人の遺族に計44億ウォン(約4億4500万円)が支給された。結局、日本政府の拠出金の半分以上がそのまま残っている状況だ。市民団体など一部では、10億円を日本政府に返還しようと主張しているが、現実化の可能性は高くない。事実上、韓日慰安婦合意の破棄を意味するためだ。国家間の外交的合意を政府が先に破棄してしまえば、韓日関係のみならず国際的な外交信頼度の下落が避けられなくなる。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者も25日、ニューヨークで記者団に会い、「10億円を日本政府に返還するという意志として受け取ってもよいか」という質問に「それは違う」と明確に答えた。この関係者は「大統領が『慰安婦合意の破棄や再協議は要求しない』とした文章には、10億円の返還は入っていなかったと理解している」と付け加えた。