【コラム】韓国半導体危機論より重要なこと(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.08.17 16:12
「半導体DRAMは芸術だ」。ソウル大半導体共同研究所の李宗昊(イ・ジョンホ)所長(電気・情報工学部教授)の言葉が耳に残っている。「構造も美しい。DRAMセルのナノ構造物は底面積に対する高さがブルジュ・ハリファ並みだ」。ブルジュ・ハリファとはかつて「バージュ・ドバイ」と呼ばれたアラブ首長国連邦(UAE)の世界最高層ビル(828メートル)のことだ。DRAMは計算を担当する中央処理装置(CPU)に比べて構造や回路が簡単だ。とはいえライバル企業は容易には追いつけない。サムスン電子・SKハイニックスの量産技術が優れているからだ。李所長は「韓国エンジニアの多くの試行錯誤が半導体技術一つ一つに溶け込んでいる」と述べた。
芸術の域に達した韓国の半導体技術は「半導体崛起」を叫んで追撃中の中国もうらやむほどだ。黄哲盛(ファン・チョルソン)ソウル大材料工学部教授は半導体工程と素子分野で500件以上の論文を書いた半導体権威者だ。黄教授は先月、北京で半導体ワークショップに出席したが、かなり苦労した。発表を終えた黄教授に学生の質問が2時間も続いた。黄教授は逃げるようにして抜け出してホテルの部屋に「避難」した。昨年春には中国地方政府と中国半導体コンサルティング会社から「手伝ってほしい」という執拗な要求に苦しんだ。巨額の年俸を提示して韓国のエンジニアをスカウトしてきた中国が今では学界にまで触手を伸ばしている。それほど急いでいるということだ。