【コラム】アシアナ-大韓航空、本当に憎いが…(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.10 10:18
2社がパワハラずさん経営に苦しめられたとすれば職員の士気低下はもちろんのこと、すでに「モラルハザード」が勤務態度を蝕んでいたかもしれない。規律と道徳の弛緩は事故誘発の最も危険な細菌だ。非常事態が発生した時、乗客の安全よりもオーナーの八つ当たりと報復が真っ先に頭に思い浮かんだとしたらどうなるだろう。映画『ハドソン川の奇跡』はパイロットの老練な直感で155人の生命を救った実話だ。回航命令を拒否してハドソン川に不時着した理由を問いただす公聴会で、機長のチェスリー・サレンバーガー(トム・ハンクス扮)は堂々とこう話す。シミュレーションから「人間的要素」が抜け落ちていたと。人間的要素は経験・能力と機転で乗客の生命の責任を負うプロフェッショナルスピリット。決断の35秒!そこにはパワハラ経営の顔はなかった。
どうか杞憂であってほしい。しかし、内部インターネット網の匿名情報提供欄に、独断経営の事例が凄まじい勢いで書き込まれ、さらに光化門(クァンファムン)で糾弾集会も敢行するところを見ると、これまでの精神的苦労が並大抵のものではなかったことが推測できる。この機会に不法と不正を一つ一つ告発し、胸中に固まっていた凝りを解き放ち、空の道の安全を確立するよう願う。