【コラム】韓半島発の世界平和の夢(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.06.19 13:40
無不通知。先週、金容雲(キム・ヨンウン)博士(91)にインタビューをしながら思い浮かんだ言葉だ。構造主義、カオス理論、老荘思想、精神分析学、哲学と宗教、文明と地政学へと縦横無尽に続く彼の思弁は、浅学非才が追う意欲を持つ対象ではなかった。もともと彼は名が知られている数学者だ。構造主義数学から出発して東西古今の科学と人文学に精通し、「原型史観」という自身の歴史哲学体系を構築した。かなりの年齢差がある記者を礼儀正しくもてなし、自らの業績を低めて謙遜する姿から、学問と人柄の境地を実感した。
彼は「原型(ethno-core)」を民族や集団が持つ独特の性格として、文化を形成して歴史の展開様式を決める価値体系と説明する。原型を中心に複雑系の観点から歴史現象を把握して観察する新しい歴史哲学が、彼が確立した原型史観だ。民族単位の集団無意識に対する精神分析の一環だ。
金博士は19世紀が西欧勢力による帝国主義的侵略の歴史だったなら、21世紀はそれに対する逆襲で幕を開けたと話す。歴史と伝統、種族を無視して勝手に線引きした強者に対する弱者の怨恨が米同時多発テロを招き、イスラム国(IS)のテロにつながったと説明する。東アジアの場合、カオスの中心に韓半島(朝鮮半島)の犠牲があったし、その怨恨に対する弱者の逆襲が北朝鮮の核武装として表れたということだ。