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トランプ大統領「鉄鋼関税オーストラリアは除外」…韓国は不利な交渉

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.12 10:23
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世界を相手に貿易戦争を宣言したトランプ米大統領が予想できなかった「一手」を持ち出した。鉄鋼(25%)とアルミニウム(10%)に高率の関税を課す対象からオーストラリアを除くという意向を明らかにした。カナダとメキシコに続き3カ国目だが、意味は全く違う。オーストラリアは北米自由貿易協定(NAFTA)と関係のない国であるためだ。

トランプ大統領は最近自身のツイッターへの書き込みで「オーストラリアのターンブル首相と対話した。彼は非常に公正で相互に恩恵となる軍事・貿易関係を推進してきた」と言及した。続けて「安保協定が非常に速やかに進展しており、わが同盟国であり偉大な国であるオーストラリアに鉄鋼とアルミニウム関税を課す必要がなくなった」と付け加えた。

 
◇米国、オーストラリアとの貿易で黒字続く

最初からトランプ大統領の立場でオーストラリアは手を入れるべき国ではなかった。米国の鉄鋼輸入でオーストラリアが占める割合はわずかだ。米商務省によると昨年の米国の全鉄鋼輸入3447万トンのうちオーストラリアの割合は28万トンで0.8%にすぎなかった。

何より米国はオーストラリアとの貿易で着実に黒字を出している。オーストラリアに対する米国の商品収支黒字は昨年145億5000万ドルだった。前年の126億5000万ドルより15%増えた。

通商拡大法232条に基づいたトランプ大統領の行政命令は23日から効力が生じる。これまでは交渉の可能性を開いている。トランプ大統領としてはオーストラリアが一種の「示範ケース」だ。韓国をはじめとする他の国に対し「オーストラリアのように鉄鋼関税を免除できる。望むなら米国にしっかり示せ」というメッセージを送った格好だ。「交渉の名手」らしい絶妙なカードを切ったのだ。

日本と欧州連合(EU)には強力な「牽制球」を投げた。トランプ大統領は自身のツイッターで「日本の安倍首相と対話した。現在1000億ドルの莫大な貿易赤字は公正でも持続可能でもない」と強調した。事実トランプ大統領が言及した「1000億ドル」は間違った数字だ。米商務省が発表した昨年の対日商品収支赤字は688億5000万ドルだった。前年の688億1000万ドルとほとんど変わらなかった。

◇「日本に1000億ドルの赤字」…統計も間違い

トランプ大統領にとって数字が合っているか間違っているかは別に重要な問題ではない。彼は鉄鋼に直接言及することもなかった。代わりに市場開放と関税を連係する可能性を示唆した。彼は「米国とより良い貿易に向けた日本の開放を(安倍首相と)議論した」と伝えた。

EUに対してはさらに一歩踏み込んだ。トランプ大統領は「貿易で米国に悪く対する立派な国々」と皮肉った。続けて「もしEUが米国製品に対する大幅な障壁と関税を低くするならばわれわれも一緒に低くするだろう。そうでないなら自動車などに税金をかけるだろう」と話した。

EUの昨年の対米鉄鋼輸出は501万トンに達した。28加盟国が単一経済圏という点を考慮すればカナダの568万トンに次いで大きい規模だ。トランプ大統領が鋭敏に見るEUの対米商品収支黒字は昨年1514億ドルで前年の1468億ドルより小幅に増えた。

貿易戦争が自動車などに広がるのはEUだけでなく韓国も恐れるシナリオだ。自動車は半導体とともに韓国の最も重要な輸出品目に挙げられる。

トランプ大統領は韓国に特に言及しなかった。韓国はオーストラリアのような関税免除を希望するが現実的に容易ではない見通しだ。昨年米国が韓国から輸入した鉄鋼340万トンはオーストラリアの12倍水準だった。

オーストラリアとは違い米国は韓国との貿易で赤字を出している。昨年韓国に対する米国の商品収支赤字は229億ドルだった。前年の276億ドルより減ったが、米国は依然として多いという立場だ。トランプ大統領が韓米自由貿易協定(FTA)再協議を圧迫する理由だ。

貿易戦争の核心ターゲットが中国という点も韓国には不利な要因だ。米国は中国が他の国を経由した「迂回輸出」で利益を得ていると判断する。ところで韓国は中国製鉄鋼を最も多く輸入する国だ。

韓国としては悔しい側面がある。米商務省は232条関連報告書で輸出増加率を2011年と比較して計算した。だが比較時期を2014年に変えれば韓国の対米鉄鋼輸出は31.5%減少した。

金東ヨン(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政部長官は11日にムニューシン米財務長官に書簡を送り、「米国の輸入鉄鋼関税賦課決定に懸念を表明する。両国の緊密な協力関係を考慮し韓国製鉄鋼を関税賦課対象から除外してほしい」と要請した。

◇金東ヨン「韓国製鉄鋼除外要請」の書簡

米国が提起する中国製積み替え問題も事実でないというのが韓国政府の立場だ。産業通商資源部のカン・ソンチョン通商次官補は「韓国の対米輸出鉄鋼のうち中国製素材を加工した割合は2.4%にしかならない。韓国が輸入する中国製鉄鋼製品はほとんどが低価格用で、米国に輸出するのは自動車などに使う高級製品」と話す。

問題はこうした論理が通じなかった点だ。金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長は約1カ月にわたりロス商務長官と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ホワイトハウスのコーン国家経済会議委員長(辞任)らと会った。金本部長は11日の帰国後に青瓦台(チョンワデ、大統領府)と官庁間協議を通じ交渉戦略をまとめる計画だ。

仁荷(インハ)大学のチョン・インギョ対外副総長は「トランプ大統領があまりに強硬な立場を見せており実務交渉だけでは限界がある。4~5月の南北、米朝首脳会談が開かれ韓米間の外交・安保ラインが緊密に接触できる環境が作られただけにこれを積極的に活用する必要がある」と話した。



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