【社説】文大統領の冷徹な現実認識、行動で成果を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.03.08 15:06
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日、与野5党の代表を招請し、対北朝鮮特使団の訪問結果を説明した。文大統領は「首脳会談で多くの合意があるとは考えていない」とし「国際的な制裁と圧力の枠の中で会談が行われるだろう」と述べた。「目標は当然、非核化だ。核拡散防止や核凍結では満足できない」とも話した。政府が北核問題を「核凍結」でうやむやにするのではという疑問を解消したのだ。また、野党の一部の憂慮とは違い、南北関係は北核問題に進展があってこそ改善するという冷徹な現実認識も表した。前向きに評価したい。野党も非核化と南北対話を並行発展させようとする大統領の努力に超党派的な協力を惜しむべきではない。
しかし各論には多くの罠が隠れていることに留意する必要がある。文大統領が明らかにしたように南北首脳会談の成敗はその前に行われると予想される朝米対話にかかっている。ひとまず金正恩(キム・ジョンウン)委員長が「非核化」を口にしただけに、米国は少なくとも北朝鮮との探索的対話には出る可能性が高まった。しかし北朝鮮の労働新聞は7日、「朝鮮の核保有は正当であり争点になり得ない」と主張し、金委員長に本当に非核化対話の意思があるのか疑わせた。たとえ北朝鮮が非核化対話に出てくるとしても、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の代わりに「朝鮮半島非核化は韓米同盟破棄と在韓米軍撤収が先」という従来の立場を繰り返せば、朝米対話はしない方がましという結果をもたらすかもしれない。