９日、板門店（パンムンジョム）で開かれた文在寅（ムン・ジェイン）政府の初めての南北高位級当局者会談を青瓦台（チョンワデ、大統領府）は慎重に見守った。この日夜、会談の結果を盛り込んだ共同声明文が発表されたが、青瓦台は特別な公式立場を出さなかった。青瓦台関係者は「統一部発表で立場に代わる」とした。この日午前、任鍾ソク（イム・ジョンソク）大統領秘書室長の主宰で開かれた懸案点検会議でもこれといった言及がなかったという。ある出席者は「会議の雰囲気は驚くほど落ち着いていた」として「北朝鮮が平昌（ピョンチャン）に来ることを契機に南北関係を改善して非核化の道に導くことが求められるこれからがさらに問題でないか」と話した。

この日の会談が板門店の南側地域である平和の家で開かれたため、青瓦台は閉回路ＴＶ（ＣＣＴＶ）を通じてリアルタイムで会談の状況を見守った。北側には会談の内容が映像なしに音声だけで転送される。

文大統領はチョン・ウイヨン青瓦台国家安保室長などから会談状況の報告を受けた。青瓦台関係者は「交渉戦略や方向について青瓦台と部署間調整が完璧に終わっていた」と話した。

政界では与野党によって会談に対する反応が分かれた。共に民主党の白恵蓮（ペク・ヘリョン）報道官は「２年ぶりの席だと信じ難いほど、期待以上の成果を出した成功的な会談だった」として「今後様々な懸案を幅広く議論できる持続的で定例的な会談が行われるように落ち着いて準備しなければならない」と強調した。一方、自由韓国党のチン・ヒギョン報道官は論評で「もしやと思ったが、やっぱりだった」として「北朝鮮に傍若無人で盗人猛々しい場を提供した会談だった。文在寅大統領は柔弱な対話をしないと述べたが、きょうの会談もかつての左派政府のように柔弱極まりなかった」と批判した。

国民の党のキム・チョルグン報道官は「平昌の平和五輪を成功的に開催できる基本的な条項が十分に反映されたと評価する」としつつも「北朝鮮による核とミサイル発射の根本的な変化がない状態で行き過ぎた期待はまだ禁物」と話した。

正しい政党のユ・ウィドン首席報道官は「平昌五輪にンピック（五輪）に北朝鮮の多様な代表団が参加し、南北間軍事会談などが合意に至ったのは意味のある成果」としながらも「我々の非核化言及に北が強い不満を示したと伝えられている。そのような意味ではまだ道のりは遠い」と指摘した。