【中央時評】英国はなぜノーベル賞を捨てたか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.10.12 14:10
人口数が1000万人を越える国で、人口に対してノーベル賞受賞者を最も多く輩出したのは英国だ。平和賞・文学賞を除いて、学術賞を受賞した学者がことしは1人とやや停滞気味だったが、昨年は9人の受賞者のうち5人が英国生まれだった。それも物理学・化学・経済学にそれぞれ名前を入れた。ところが注目するべきことに、彼らは皆、英国で博士課程を終えるか、大学で教鞭を執っていた途中で米国の大学に移っていった。
なぜ英国の優れた学者たちは母国を離れたのだろうか。実は英国政府が教授の月給を統制したのが主な理由だった。マーガレット・サッチャーは首相になると財政赤字を減らすために大学を含めた公共部門の改革に着手した。その結果、生計維持が難しいとしてバーミンガム大学の生物学者が配管工に転職したりもしたが、他の公共部門と違って教授は激しい抵抗はしなかった。せいぜいサッチャーの名誉博士授与を決めるオックスフォード大学の教授会議にいつもとは違って多くの教授が参加して圧倒的多数で否決させた程度のかわいい(?)復しゅうだった。大学を甘くみていた英国政府は教授の実質賃金を数十年間凍結させた。すると有能な学者は外国へと静かに離れ始めた。2016年1年間だけで、このようにしていくつものノーベル賞が飛んで行った。