【社説】韓国にもドイツのように国益を追うビジョンのある政治家がほしい
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.09.19 16:43
24日、ドイツで総選挙が行われる。一週間しか残っていない。ところで、不思議と思われるぐらいに静かだ。すでに勝者と敗者が明らかに分かれているからだろうか。世論調査の予測が当たれば、アンゲラ・メルケル首相は簡単に4選に成功するだろう。誰がメルケルの連合政府のパートナーになるかが最も大きな関心事だ。
これに対し、ドイツの週間ニュースのエディター、ヨーゼフ・ヨペ氏 は「つまらない選挙」と表現した。一時、難民問題が熱かったが、メルケル政府がこれも無難に克服し、全くホットイシューがないということだ。昨年一年間激しかった「肉薄戦」を繰り広げた米国大統領選挙やことし春の保守・進歩の既存二大政党を無惨に押し倒して中道革命が成功したフランス大統領選挙に比較すれば、今回のドイツ総選挙は実際にあまりにも地味だと言わざるを得ない。
このように逆説的に「興行に惨敗した」ドイツ総選挙を作ったのは中道右派メルケル首相のリーダーシップに一次的な原因があるだろう。さらに遡ると、メルケルの政治的ライバルだった中道左派ゲアハルト・シュレーダー元首相が確かな道を磨いておいたと見ることもできる。シュレーダーが内外の手荒い反対と批判を甘受して「欧州の病人」と呼ばれたドイツを思い切って手術台の上にのせることにした勇気のある政治家だったためだ。万一、当時シュレーダー首相が周辺の顔色をうかがい、政治的に計算ばかりしながらドイツの重病に目をそらしたなら、今日のメルケル首相が享受する「選挙平和」は考えもできなかった可能性が大きい。シュレーダーがばら撒いた改革の種のおかげでメルケルは大きな収穫を得ることができた。ドイツの7月失業率は3.7%だ。事実上、完全雇用(3%未満)を控えている。ユーロ圏(ユーロ貨幣使用19カ国)の平均失業率9.1%よりはるかに低い。隣国のフランスは9.8%だ。