【社説】台頭する米中韓半島ビッグディール論…コリアパッシングはなくせ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.02 08:30
先月28日に敢行された北朝鮮の2度目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射試験後、米国の朝野で米中直取引論が浮上し少なからぬ懸念を生んでいる。この主張は北朝鮮の核ミサイル危機を解消するためには米国が中国と直接談判をしなければならないというものだ。
実際に米国外交の伝説であるヘンリー・キッシンジャー元国務長官は「北朝鮮政権崩壊後に在韓米軍の大部分を撤収させると中国に約束するように」と米国政府に助言したという。そうすることで中国も統一後国境地帯まで米軍が押し寄せてくる状況を避けられ、金正恩(キム・ジョンウン)政権の崩壊を容認できるということだ。さらにジェイ・レフコウィッツ元米北朝鮮人権特使は韓国主導の統一を骨子とした「ひとつの韓国」の原則を捨てろと主張したりもした。韓半島(朝鮮半島)全体が親米政権によって掌握されるという中国の不安をぬぐうにはこの方法しかないという論理だ。
こうした主張が貫徹されれば韓国が最も警戒してきた「コリアパッシング」、すなわち韓国の立場を無視して強大国同士で北朝鮮問題の解決策を決める最悪の事態が訪れかねない。米国が統一後に米軍を引き揚げれば韓米同盟を安保の根幹としてきた韓国としては国家防衛に埋めることのできない大きな穴ができることになる。中国やロシアなど軍事大国に囲まれた韓国には北朝鮮の核脅威だけがあるのではないためだ。