【コラム】韓半島の地政学的時間が逆に流れる(3)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.13 13:27
文大統領は外交舞台デビューの成功に満足しているかもしれない。しかし「酔中疾走」を警戒しなければならない。ワシントンとベルリンで明らかにした平和構想を急がずに、手のつけやすいところから一つ一つ解決していくことが重要だ。準備が整っていない相手に多すぎる提案を一度に浴びせるのはアイデアの浪費だ。北朝鮮のICBM発射を他人事のように話すトランプ、韓半島に対する中国の伝統的な野望を表わした習近平、具体的な損益計算もなくもうろうとした惰性で北朝鮮の肩を持つプーチン、核・ミサイルで強大国を思いのままに動かすと鼻息を荒くする金正恩…。私たちはどこに出口を見出すのだろうか。
世の中に変わらないものなどない。文大統領が、今回の首脳外交舞台で、切迫した韓半島問題を私たちの力で解決できない限界を感じたというのは良い出発だ。韓半島問題解決の運転席に座ることの意味も分かっただろう。北朝鮮・中国・ロシアを説得する戦略を緻密に立てるところから始めなければならない。バックチャンネル(裏ルート)も十分に活用しなければならない。キャンプの外に目を向ければ活用できそうな人材はたくさんいる。たとえば中国に太いパイプと強い推進力を持つ鄭徳亀(チョン・ドクグ)NEAR(ニア) 財団理事長、北朝鮮相手ではパク・ハンシク・ジョージア大学名誉教授とトニー・ナムグン博士がその一部だ。外交当局者は「外交は私たちがするもの」という古い考えから出るバックチャンネルの無条件排斥の態度から捨てるべきだ。北朝鮮の核・ミサイルと韓半島平和は高次方程式で解決するべき複雑な国際問題だ。米国は中国を一段と強く圧迫して、韓国は北朝鮮とひとまず対話の道を開かなければならない。