ＳＫグループの崔泰源（チェ・テウォン）会長が朴槿恵（パク・クネ）前大統領の裁判で証人として出席し、朴前大統領がＳＫのミル・Ｋスポーツ財団への後援支援金の額を自ら確認したと話した。

ソウル中央地方裁判所刑事合意２２部の審理で２２日に開かれた朴前大統領と崔順実（チェ・スンシル）氏のわいろ授受疑惑裁判に証人として出席した崔会長は昨年２月１６日に朴前大統領とソウル三清洞（サムチョンドン）の安全家屋（秘密事務所）で４０分間交わした単独面談の状況を詳しく説明した。ミル・Ｋスポーツ財団に出資金を支援した大企業の総師のうち朴前大統領の裁判の証人席に立ったのは崔会長が初めてだ。この日の崔会長の陳述と検察の捜査記録を総合すれば単独面談当時、次のような会話が交わされた。

「ＳＫはミルとＫスポーツ財団にどれくらい後援支援金を出しましたか」（朴槿恵前大統領）

「１１１億ウォン（約１０億円）です」〔安鍾範（アン・ジョンボム）元青瓦台政策調整首席〕

「ＳＫがミルとＫスポーツ財団に出捐したことについて感謝申し上げます。今後も関心と協力をお願いします」（朴前大統領）

崔会長は「単独面談当時、朴前大統領が投資と雇用を増進させる方法を尋ねて規制フリーゾーンなどを話したところ『専門的な話は安鍾範首席と一緒に聞かなければならない』と言って自ら席を立って安全家屋の小さな部屋で待機していた安元首席を連れてきた」という趣旨で証言した。その後、朴前大統領が２つの財団の後援支援金を確認して今後の協力を求めたということだ。崔会長は「朴前大統領がＫスポーツ財団の視覚障害者のための『ガイドランナー』事業に対する助けを要請したか」という検察側の質問に対し「聞いたように思う」と答えた。この日、崔会長は単独面談の席で朴前大統領とＳＫグループの懸案に対して話した事実も述べた。ＳＫは２０１５年１１月免税店の再承認審査で落ちた状態だった。

「ＳＫがウォーカーヒル免税店事業を持続する問題があります」（安元首席）

「免税店の選定に手続き上の問題があったようです。制度の改善方案を準備中です」（朴前大統領）

「ＳＫテレコムとＣＪハロービジョンの買収合併も進行中でしょう？」（安元首席）

「速かに結論を出すことが皆にとって良いと思います」（崔会長）

「分かります」（朴前大統領）

崔会長は単独面談の序盤に弟、崔再源（チェ・ジェウォン）首席副会長の仮釈放について言及した事実も証言した。

「最近は元気に過ごされていますか」（朴前大統領）

「私は元気に過ごしていますが家の方は状況が思わしくありません。私は出てきましたが弟がまだ出て来れずにいるので甥や姪に対して面目がありません」（崔会長）

検察が「大統領との面談中（崔首席副会長の）仮釈放問題を切り出すのが負担になると思い自然に婉曲的に話したのか」と尋ねると、崔会長は「そうだ」と答えた。また、「大統領が儀礼的にでも肯定的な反応がなかったため、その問題についてそれ以上申し上げることができなかった」と話した。

単独面談の序盤の状況について尋問する過程で崔会長の夫人の盧素英（ノ・ソヨン）アートセンターナビ（蝶々）館長が崔会長が赦免を受ける前に朴前大統領に崔会長について否定的な内容が書かれた手紙を送った事実も公開された。検察が「盧館長が２０１５年８月１４日に証人（崔会長）の赦免が決定される前に朴前大統領に証人に対して否定的な内容が書かれた書信を送った事実を知っているか」と尋ねると崔会長は何秒間か沈黙すると大きくため息をついて「聞いたことがある」と答えた。これに対して盧館長はあるメディアに夫に対する否定的な手紙を朴前大統領に送ったという検察の捜査内容を全面的に否定した。盧館長は「かえって夫を釈放してほしいという内容の嘆願書を提出したことはある。いったい誰の作り話なのか分からない」とし、「私がそうやったという証拠を提出するように言ってほしい」と話した。