【コラム】安哲秀現象が背を向けた安哲秀の未来(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.24 15:45
文在寅(ムン・ジェイン)大統領を誕生させた大統領選挙結果にびっくりしたという人を探しだすことは難しい。皆の推察通りだったので、歴代で最も地味な空虚選挙として記録されようとしている。選挙1カ月前、少しの間だが緊張感が高まったことは高まった。「文在寅対安哲秀」の2強者構図が世論調査に登場したためだ。その時を思えば、安哲秀候補にとっては衝撃的な敗北だ。文大統領にダブルスコアの票差をつけられたうえに「候補の資格さえない」と非難した洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補にも負けて3位にとどまった。5月9日の大統領選挙は安哲秀の大敗退がことさら目を引く。
戦争だろうが選挙だろうが、争いの場での勝ち負けはいつもあることだ。だが、安哲秀の敗北はもう少し骨身にこたえる部分がある。かろうじて築いた地域と世代の政治的資産を同時に無くしてしまったからだ。地域や世代基盤、理念的座標は、政治家にとって、倒れても再起して再挑戦、再々挑戦を可能にする滋養分ともいえる。政治家・安哲秀にとっては安哲秀現象と湖南(ホナム)が名分と現実の両軸であり存立の基盤だ。ところがふたを開けて見てみると、3等という成績よりもあらゆるものがまぜこぜになった内容がもっと問題だった。